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陛下ったら、ウニをほうれん草に乗せるだなんて下品で侮辱で最高です!  作者: ぜんだ 夕里
第2章 イツクシマ神殿編

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セトウチ転生録(イツクシマ神殿編)

セトウチ世界の住人が稀に「日本」なる異世界に転生してしまうことがある。

そして不思議なことに、狂気の執念を持った住人ばかりが転生する。

だが転生特典を得た彼らはなぜか「日本」に名を轟かせることはない。

それでも彼らは無名のまま何かをしでかしてしまうのだ。


以下にその記録を残す。


4. 揚げもみじ

日本での名称:揚げもみじ(広島県 宮島)

毎日、揚げ物に使い終わった油を「もったいない」と飲み続けた男が日本に転生した。

転生特典は「もったいないと思ったものをおいしく調理する能力」

彼は和菓子屋に転がり込んだ。そこで不格好な饅頭が破棄されるのを目にする。

そして前世で食べた揚げもみじを思い出し「もったいない」と油で揚げて露店で提供した。

外はサクサク、中はアツアツのあんがふわりと広がる絶品料理。串に刺して気軽に食べ歩ける手軽さも相まって、宮島で大人気の名物となる。

しかし彼個人の普段の食事はキャベツの芯や大根の葉っぱをおいしく調理したものとなった。

「もったいない」と思ったものをおいしくできるのはすごい能力だが、一般的な可食部は調理できない彼の心は少しだけ貧しい気分になった。

揚げもみじは彼の食事のデザートに出てくる唯一のオアシスだ。


5. あなごめし

日本での名称:あなごめし(広島県 宮島)

イツクシマ神殿の料亭で修行していた若い料理人がアナゴの気持ちになるべく、手足を縛って海へと飛び込み晴れて日本に転生した。

転生特典は「体からぬめぬめした粘液を出し続けることができる能力」

周囲からはただただ気味悪がられたが、本人はアナゴの気持ちになれたとご満悦だった。

アナゴの気持ちを理解した彼は見事に料理人として覚醒した。甘辛いタレを纏わせて白飯の上に並べたあなごめしは、食べたこと自体を忘れるほどの美味とされる。

なお彼の趣味はダイビング。ぬめぬめ体液を身に纏ったまま、今度はえら呼吸になれないかを生涯研究し続けた。


6. イツクシマ神殿

日本での名称:厳島神社(広島県 宮島)

イツクシマ神殿を建てた宮大工の棟梁が、神殿完成のうれしさにそのまま老衰して日本に転生する。

得た転生特典は「疲れを知らずに泳ぎ続ける能力」というチート。

その能力を使って瀬戸内海を泳いで気ままに遊んでいたところ、宮島にたどり着く。

宮島の神聖な空気と鹿たちに触れた棟梁は「ここには絶対に神様がいる」と確信。前世の知見を遺憾なく発揮して厳島神社を建設した。

竣工した神社の荘厳な雰囲気に満足した棟梁は、以降宮島の漁師となり鹿泥棒退治にいそしんだ。

なお「海水を飲みながら柱を建てて大変だ」と作中でツユは心配したが、干潮時に建築を進めるという棟梁の知恵でびしょびしょにならずに完工したと言われる。

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― 新着の感想 ―
4番目、もったいないからって、食べてはいけないものも、確かに存在するという事をまず、知りましょう。 しっかりと始末とするのはとても良いことですけど、フグの肝とかは、もったいない精神でも、素人がうかつに…
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