第268話:突撃! 黒鮫飛行船団
「ナビ、反重力立体機動モード! 敵船団を包囲するぞ!」
『了解、マスター。バリアブル・ノズル全開。空中ドッグファイトに移行します』
ドォン! と大気を震わせ、キャンピングカーが垂直上昇! 雲海を縦横無尽に滑空し、密猟船団の頭上へと一瞬で躍り出た。
『なっ……!? なんだあの動く城は! 飛べるのかよ!?』
『ひるむな! 砲撃だ! あの城ごと打ち落とせぇぇぇ!』
黒鮫飛行船団の5隻の側砲から、数十発の黒い魔法着弾弾が一斉に放たれた。黒い放物線を描いて押し寄せる弾幕。
だが、操縦席の後ろでセリスがそっと手を掲げた。
「聖なる結界よ、邪なる衝動を退け給え——【多重聖光陣】」
キャンピングカーの全周囲に、黄金の幾何学模様が輝く多重結界が展開される。
ズバババババンッ!
一斉着弾の激しい爆発と炎。しかし、結界の表面で煙を上げて弾け飛ぶのみで、キャンピングカーの車体には傷一つ、揺れ一つ与えられない。
「蚊の刺したようなものですね。ユウ様、いつでもいけます!」
「よし! ウォーター・キャノン&ネットランチャー、一斉射撃っ!」
キャンピングカーの上部砲塔から、高圧の冷風水流と、頑丈な魔力ネットが一斉に解き放たれた!
——ドガガガガガッ!
「ぎゃああああっ!? プロペラが凍りついた!?」「あ、網が絡まって推進力がつかねぇぇぇ!」
高圧水流で翼やプロペラを凍らされ、ネットで推進機構を絡め取られた二隻の飛行船が、煙を上げて次々と雲海の下へと失速・墜落していく。
「残るは三隻! 旗艦を追い詰めるぞ!」
ユウがハンドルを切り込み、キャンピングカーは怯える密猟船団の旗艦へ向けて、まっすぐ突撃を開始した!




