第265話:魔法のプリンタイム
特製離乳食をお腹いっぱい食べたぽんたは、満足そうに「ふぅ〜」と小さなお腹を膨らませていた。
「よし、離乳食のあとは、みんなでデザートタイムにしようか」
ユウが笑顔でネットスーパーの画面を操作し取り出したのは、高級ブランド卵『黄金卵』と、濃密な北海道産生クリーム、そして本バニラビーンズだ。
卵黄と砂糖をすり混ぜ、温めた牛乳と生クリーム、バニラビーンズの黒い粒々を合わせる。万能こし器で二度越してきめ細やかに仕上げた液を、ガラス製の型へ流し込み、キャンピングカーのスチームオーブンでじっくりと蒸し上げた。
仕上げに冷蔵庫でしっかりと冷やし、鍋で煮詰めた琥珀色のほろ苦いカラメルソースを回しかければ——『極上とろけるカスタードプリン』の完成だ。
「わあ……! プルプル揺れてる……! すごく綺麗なお菓子ね!」
レニが目を輝かせる。ユウはぽんた用の小さなスプーンと、レニ用のスプーンをそれぞれ添えて差し出した。
「はい、どうぞ。お口の中でとろけるプリンだよ」
レニがスプーンを差し込むと、何の抵抗もなくすっと吸い込まれていく感覚。
すくい上げた黄色いプリンの上で、琥珀色のカラメルソースがツヤツヤと輝いていた。
「……いただきます!」
レニが口へ運び、ぽんたにもユウが小さな一口を食べさせた。
——次の瞬間。
「んんん〜〜〜〜っ!????」
レニが両手を頬に当て、うっとりと瞳を閉じて大悶絶!
舌に乗せた瞬間に、噛む必要すらなくスッと消えていく究極の口溶け。口の中いっぱいに広がる濃密な卵のコクとバニラの甘い香り、そして後から追いかけてくるカラメルソースのほろ苦い香ばしさ。
「きゅ……きゅ〜うっ♪ きゅ〜うっ♪」
ぽんたもまた、まるで天国にいるかのような顔で短足をバタバタさせ、歓喜のダンスを踊り出していた。
「な、何これ!? 口に入れた瞬間に消えちゃったわ! こんなに甘くてなめらかな食べ物、竜の国にも絶対にないわよ!」
「ふふ、二人ともすっかりプリンの虜ね」
ルナがくすくすと笑い、セリスも嬉しそうに頷く。
こうして、ぽんたとレニの胃袋は、キャンピングカーの極上スイーツによって完全に射抜かれてしまったのだった。




