第259話:降り注ぐ光のシャワー
大爆発の余波が収まり、静寂が再び天空を包み込んだ。
「あ……見て、ユウ……!」
セリスの声に導かれ、ユウたちがキャンピングカーの天窓を見上げると、そこには息をのむような光景が広がっていた。
粉々に砕け散った黒蝕の彗星片。その破片の欠片一つ一つが、セリスの放った聖なる光と混ざり合い、黒い邪気を完全に削ぎ落とされて光り輝く『光の粒子』へと変化していたのだ。
青、白、金、紫——無数の光の粒子が、夜空一面に広がり、静かにスタラグランドの上空へと降り注ぎ始めた。
まるで、天空全体が光の雨を降らせているかのような、幾千の流星群。
「すごい……! 光のシャワーだ……!」
ルナが歓声を上げ、ソフィアも感心したように煙管を揺らした。
「邪気が完全に浄化され、純粋な光魔力となって都市へ注がれておる。これで都市の浮遊機関も完全復活じゃな」
ソフィアの言葉通り、光の粒子が染み込むにつれて、スタラグランドの街並みに青白い魔導灯が一基、また一基と灯り始めた。中央の大天体観測塔も眩い光を取り戻し、都市全体が息を吹き返していく。
眼下の街からは、窓を開けて夜空の絶景を見上げる住民たちの驚きと歓声が、かすかに届いていた。
「……私の大好きな星空が……戻ってきた……」
アナが天窓を見上げたまま、ポロポロと大きな涙を瞳からこぼした。
「誰も信じてくれなくて……私一人じゃどうしようもなくて……本当に、怖かったんだから……っ!」
素直な感情を溢れさせ、泣き出すアナ。セリスが優しく彼女を抱きしめ、背中を撫でた。
「よく頑張りましたね、アナちゃん。あなたが諦めずに観測を続けてくれたから、この街も星空も守られたんですよ」
「うわぁぁぁん……っ! ありがとう……ありがとう、みんな……!」
星降る夜空の下、幼い観測士の泣き声と、暖かな微笑みがキャンピングカーの中に広がっていた。




