第250話:雲海を越えてゆく旅人
スカイホエールの狂乱が収まり、天空都市アエログラドに再び穏やかで平穏な時が戻った。
白亜の港にて、キャンピングカーのスカイシップ形態が静かに翼を休めている。
大勢の都市住民や翼人族、竜人族たちが港に集まり、僕たちの鮮やかな救出劇に感謝と拍手の歓声を送っていた。
「ユウ殿、誠に感謝する! 都市と守り神様を救ってくれたばかりか、あのような至高の甘味と絶品肉料理を教えてもらうとは……一生の恩義だ!」
竜騎士隊長ドラグが深々と頭を下げ、重厚な金属の小箱を僕の手へと手渡してくれた。
開けると、七色に輝く頑強な竜の装甲『竜鱗の盾』と、透き通るスカイクリスタルが入っている。
「これは我が竜騎士団に代々伝わる秘宝だ。旅の防壁として役立ててくれ!」
「こんなに素晴らしいものを……本当にありがとうございます、ドラグさん!」
ルナも「またいつでも雲海BBQやりに戻ってくるからね!」とニヤリと笑った。
「ふふ、ユウ様。次の目的地でも、みんなが笑顔になれる美味しい料理をたくさん作りましょうね」
ツムギが真新しい調理用具を抱えながら、嬉しそうに頷く。
「ナビ、進路をセット。次の冒険へ向けて出航だ!」
『了解いたしました、マスター。反重力エンジン全開。航路を蒼穹の彼方へ設定します』
重厚で心地よいエンジン音が空に響き、反重力翼が黄金色の綺麗な光を放つ。
キャンピングカーは白亜の港を滑らかに離れ、青空へとふわりと浮き上がった。
ドラグたち竜騎士団が飛竜に跨がり、翼をはためかせながら僕たちの車と並走して「また逢おう、ユウ殿ー! 素晴らしいパンケーキと肉をありがとう!」と手を振って誇らしく見送ってくれる。
「ふふ、また遊びに来ましょうね。ドラグさん達もお元気でー!」
セリスもスカイデッキから大きく手を振り返す。
眼下に広がる輝く白銀の雲海と、どこまでも青く広がる澄み渡った大空。
僕たちのキャンピングカーは、新たな仲間との絆と未知の冒険を胸に、雲海を越えて次なる絶景へと滑るようにどこまでも駆け抜けていくのだった。




