第238話:ツリーハウスモード、樹上へ展開!
『ツリーハウスモード、各部可変ロック解除。リフト機構およびアンカーワイヤーを展開します』
ナビのアナウンスとともに、キャンピングカーの天井部から高強度のオリハルコンワイヤーアンカーが連続して射出された。
ガシィィン! ガシィィン! と重厚な金属音が森に響き、アンカーが世界樹の巨大な太枝へとガッチリ固定される。
さらに車体側面から折りたたみ式のアウトリガーと、樹上滑空用の昇降リフトユニットが展開し、キャンピングカーの巨体がふわリと地上を離れて宙へ浮き上がった。
「きゃあぁっ!? 木箱が……キャンピングカーが空へ昇っていく!?」
シルフィと警備隊のエルフたちが、口を大きく開けて驚愕の叫びを上げる。
巨大な世界樹の幹に沿って、キャンピングカーがスルスルと垂直に登破を開始。
神代の火炉でオリハルコン補強された強靭な駆動系とナビの反重力アシストが組み合わさり、数百メートルの高さをまるで平地をクルージングするかのように滑らかに駆け上がっていく。
「車内からの眺めも絶景だね! 雲が届きそうな高さだよ! 風も気持ちいい!」
ルナが窓の外を見ながら声を張り上げ、ポチとホタルも嬉しそうに車内を駆け回る。
「目標、寄生魔樹のメインコア(本体)を捕捉。上方三百メートル地点、幹内部の巨大大空洞です」
「よし、突入だ!」
幹の途中にぽっかりと空いた空洞へ、キャンピングカーがツリーハウス形態のまま無事着地。
アウトリガーがガチリと幹内部に固定され、木々に完全に溶け込む移動要塞『ツリーハウス基地』として展開された。
目の前には、世界樹の聖魔力を吸い上げて赤黒く不気味に明滅する、寄生魔樹の巨大な球状コアが鎮座していた。
僕たちの侵入を検知し、周囲から無数の刺だらけの黒いツタとうごめく触手が、威嚇するように一斉に襲いかかってくる。
「シャァァァァッ!」
「そうはさせないよ! ポチ、ホタル、牽制攻撃!」
ルナの指示で、警備ドローンのポチとホタルが車外へ飛び出し、非殺傷ミサイルと電磁ジャミング波で襲いかかるツツタを次々と撃ち落としていく。
「セリス、ツムギ! 浄化の準備はいいか!?」
「はい! いつでもいけます!」
「特製薬膳活力スープ、完成しています!」
世界樹と森の命運を懸けた総力戦が、樹上の大空洞で開始されたのだった。




