↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
299/334

第231話:地上への生還と緑の風

「ナビ、上方の岩盤の厚さは?」

『残り三メートルです、マスター。これより最終穿孔プロセスに移行します』


ナビの落ち着いたアナウンスと同時に、オリハルコン補強を施した巨大ドリルが爆音を響かせた。

ガガガガッ、と神代の頑強な岩盤をあっけなく粉砕し、キャンピングカーの巨体がぐんと押し上げられる。


次の瞬間――車内を包んでいた暗闇が弾け、まばゆいばかりの黄金色の光がフロントガラス一杯に広がった。


「わあぁ……っ! 光です、ユウさん! 太陽の光ですよ!」


助手席でセリスが歓声を上げ、パッと表情を輝かせる。

車外モニターには、どこまでも広がる青澄んだ空と、ぽっかりと浮かぶ白い雲が映し出されていた。


「ひゃっほー! やったあ! 地下暮らしもおしまいだー!」

「ララも! お日様だー! サンサンだー!」


ルナとララがリビングのソファで跳ね回り、ポチがそれに合わせて「ワンッ!」と嬉しそうに吠える。


神代の大迷宮でオリハルコンを鍛造し、キャンピングカーのフレームと装甲の究極強化を終えてから数日。僕たちは暗く長い地下縦穴をひたすら登り続け、ついに地上へと生還したのだ。


車体を停車させ、ドアを開けると、青々とした草原の匂いを孕んだ爽快な風が吹き抜けた。


「……ふぅ。やっぱり、太陽と風は最高だな」


車外へ一歩踏み出し、大きく深呼吸をする。

地下世界のクリスタル光も綺麗だったが、肌をなでる温かな空気と土の匂いは、生きている心地がする。

神代の火炉でオリハルコンをコーティングしたキャンピングカーの車体は、太陽の光を受けて七色の光沢を放っていた。神々しさすら感じる仕上がりだ。


「皆様、お疲れ様でした。冷たいお茶をどうぞ」


ツムギがネットスーパーで仕入れた氷を浮かべ、淹れたてのアイスグリーンティーをトレーに乗せて運んできてくれた。

グラスの表面に結露した水滴がキラキラと光る。一口飲むと、渋みと爽やかな香りが喉を潤し、地下探索の疲れが一気に吹き飛んでいくようだった。


「生き返るなぁ……ツムギ、ありがとう」

「ふふ、お役に立てて光栄です、ユウ様」


そこへ、ダボダボのローブの裾を引きずりながらソフィアが歩み寄ってきた。ちびっこ大賢者はグラスを受け取ると、ごくごくっと飲み干してプハッと息を吐く。


「うむ! 苦みと冷たさが絶妙じゃな!……して、ユウよ。地上の光を堪能したところで、次の目的地は決まっておるのかの?」


「いや、まずは人里に出ようかと思ってたところだけど……ソフィに何か心当たりが?」


僕が尋ねると、ソフィアは不敵な笑みを浮かべ、北西の空を指さした。


「ふふん、オリハルコンで強化された車体ならば、あそこを目指すのが一興じゃろう。ここから北西へ数日――人跡未踏の秘境『世界樹の森(エルベン・ハイム)』じゃ!」


「世界樹の森……!?」


セリスが目を丸くする。


「世界樹の根元には、地上では決して手に入らん奇跡の果実や希少ハーブが群生しておると聞く。もっとも、住人であるエルフどもは極度の人間嫌いで閉鎖的じゃがな」


「希少な食材……世界樹の果実……!」


ツムギの目がキラーンと光った。料理人としての血が騒いだらしい。

ルナも「エルフの森のお宝か……悪くないね!」とニヤリと笑う。


「エルフか……一筋縄ではいかなそうだけど、新しい旅の目的地としては最高だな。よし、次の目的地は『世界樹の森』に決定だ!」


僕の宣言に、仲間たちの歓声が青空へと響き渡った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。