第226話: トラップ無効化の鉄壁要塞
「ジ、ジジ……警告、警告……システムエラーが発生。深部ディレクトリに潜伏していた古代の自己増殖型ウイルスが活性化……」
突如、アニムスのホログラムが激しい赤色に変色し、ノイズで激しく歪み始めた。
「管理権限が一時的に奪取されました……! 迷宮全体が『侵入者全滅モード』に強制移行します。防衛兵器が制御不能……! 逃げて……今すぐ逃げてください!」
アニムスの悲痛な叫びと同時に、大空洞の天井から不気味な警報音が鳴り響いた。通路を照らしていた青い光が一斉に血のような赤に変わり、前方の分厚い金属隔壁が次々と閉まり始める。
「退路が塞がれた!? ユウ、上から何か来る!」
ルナの鋭い叫び。見上げると、通路の天井から巨大な超重量の金属製プレス板が、もの凄い速度で落下してきていた。床に叩きつけられれば、いかに頑丈なキャンピングカーでもひとたまりもない。
さらに、通路の四方に設置された隠し砲塔から、先ほどとは比較にならない高出力の魔力レーザーが乱射され始めた。
「逃げ場はないな……だったら、正面突破だ! ナビ、強襲要塞モードへ変形!」
『了解です! 強襲要塞モード、起動!』
ナビがコンソールを操作すると、キャンピングカーの外殻プレートがガシャガシャと展開し、車体を包み込むように重装甲のシールドが追加された。さらに、荷台のオリハルコン原石から引き出された魔力が障壁となって車体を何重にも包み込む。
ゴォォォン!
凄まじい衝撃音。落下してきた巨大なプレス板がキャンピングカーのルーフに直撃した。しかし、オリハルコンの障壁をまとった重装甲はびくともせず、逆にプレス板の作動アームを根元からバキバキとひしゃげさせて跳ね返した。
「嘘、あの巨大プレスを力尽くで受け止めた!?」
セリスが目を見張る。
「まだまだ行くよ! 掴まってろ!」
ユウはギアシフトを入れ、アクセルを踏み込んだ。
正面から無数の魔力レーザーが降り注ぎ、装甲に当たって激しい光に弾けるが、キャンピングカーの絶対防御壁は傷一つ負わない。
『マスター、ウイルスの中枢はアニムスのメインコアがある最深部の制御室です。このまま通路のトラップを物理的に圧殺しながら突き進みます!』
「おう、全部蹴散らして進むぞ!」
強襲要塞と化したキャンピングカーは、降ってくるプレス板を粉砕し、レーザー砲塔をなぎ倒しながら、火花と金属片の嵐の中を猛スピードで突き進んでいった。その姿は、文字通りの鉄壁の要塞そのものだった。




