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追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


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SS: ピカピカのマイキャッスル(ツムギ視点)

「……信じられないんよ。ウチ、夢でも見てるんかな?」


 私は新しくなったキッチンのド真ん中に立ち、周囲をぐるぐると見渡していた。

 ピカピカに磨かれた、大理石のような作業台。

 火を使わないのに一瞬でお湯が沸く魔法のコンロが、なんと三つも並んでいる。

 一番驚いたのは、壁に組み込まれた巨大な銀色の箱――『システム・スチームオーブン』とかいう代物だ。


「師匠……これ、本当にウチが全部使ってええの?」

「もちろん。これからの美味しい旅のために、ツムギの腕前を最大限に活かせる『最高の厨房』を用意したんだ。君専用のお城だよ」


 ヤマトの老舗料亭で下働きをしていた頃。

 私は、煤だらけの狭いかまどの前で、いつか自分の腕一つで誰かを笑顔にできるような、立派な料理人になりたいと夢見ていた。

 でも、まさか……こんな、世界の王様だって持っていないような、夢の魔法の厨房をもらえるなんて。


「……えへへっ」


 私は作業台を愛おしそうに撫で、備え付けのピカピカの包丁立てを見つめた。

 師匠の不思議なお取り寄せ魔法ネットスーパーからは、これからもっともっと、私が見たこともないような国の、美味しそうな食材がたくさん出てくるはずだ。


「よォーし! 次は『美食都市グルメンティア』やね! 世界一の料理人たちが集まる街でも、ウチと師匠の料理がいっちばん美味しいってこと、思い知らせてやるんよ!」


 私は真新しいエプロンの紐をキュッと結び直し、気合を入れる。

 まずは手始めに……この『システムオーブン』の威力を見極めるために、最高級の骨付き肉を、香草をたっぷりまぶして丸焼きにしてみよう。


「ふふふ……これからはオーブン番(火加減をずっと見張る)をしなくても、自動で焼いてくれるんよね……料理がもっともっと、楽しくなるんよ!」


 私の『おキッチン』から、今日も最高の匂いを発進させるのだ。


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