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追放聖女を拾ったので、最強キャンピングカーで旅に出ます ~過酷な逃亡生活? いえ、エアコン完備で快適スローライフです~  作者: 悠々


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第149話: 完成!走る最高級ホテル

 数時間に及ぶ夜通しの「通信越し魔導プログラミング」と、僕の【マイホーム】スキルによる徹夜の魔力放出作業を経て。

 翌朝。街道の端に停まっていたキャンピングカーは、かつてないほどの輝き(文字通り、コーティングの艶が違う)を放っていた。


「……ふわぁ。よく寝たー。えっと、ここは……」


 目をこすりながらリビングルームから出てきたルナが、その景色を見て完全にフリーズした。

 無理もない。今まで少し手狭だった内装が、空間拡張魔法の限界突破により、もはや「高級ホテルのスイートルーム」にしか見えないほど広がり、様変わりしていたからだ。


「なんだ、このフカフカの床! ふかふかすぎて足が埋まるぞ!?」

「それに、この壁の大きな黒い板はなんです? 景色が……四角い枠の中で動いています!」


 ルナが最高級の毛足の長い羊毛カーペット(ネットスーパー経由で素材を調達し構築)の上で飛び跳ね、セリスが壁一面に設置された80インチの大型4K有機ELテレビ(環境映像を流しっぱなし)を指差して驚愕している。


「みんな、おはよう。キャンピングカー・新形態……『移動式高級ホテル(リゾート)モード』の完成だよ」


 僕がニヤリと笑いながら言うと、一番奥の部屋……専用の扉が設けられた「キッチンルーム」から、悲鳴にも似た歓声が上がった。


「し、師匠おおおっ!? 何なんこれ!? このピカピカの台……火が出ないのに水がすぐ沸くし、このオーブン、豚の丸焼きが3匹同時に入れられるんよ!?」


 ツムギが涙目になりながら、追加実装されたばかりの「3連IHクッキングヒーター」と「超大型スチームオーブン」に抱きついていた。

 これが、今回のアップデートにおける最大の目玉【システムキッチン・プロ(異世界チート仕様)】である。

 これからのグルメ旅において、彼女の腕を120%引き出すための、最高の厨房だ。


「えへへ……ララのベッド、おっきくてポヨーンってする……!」

「うむ。この『ぜんじどうまっさーじき』とやら、なかなか気が利いておるな。肩の凝りがほぐれていくわ……」


 ベッドルームでは、キングサイズの高級マットレスの上でララがダイブを繰り返し、リビングの隅ではソフィアが最新型のフルモミ玉マッサージチェアに包まれながら、大賢者らしからぬだらけた声を出していた。(ポチもその隣で、ルンバ型のお掃除ロボットを不思議そうに追いかけている)


「どうだい、みんな。今日からはこの『世界一快適な家』で、のんびりと食事をしながら旅をするんだ」

「ふふっ。最高ですよ、ユウ様。……でも、一つだけ問題があります」


 セリスが、少しだけ困ったように微笑んだ。


「これだけ快適だと、私……外に出て魔物と戦ったり、歩いたりするの、面倒くさくなってしまいそうです」

「あー、それは僕も激しく同意」


 これからの僕たちの最大の敵は、大厄災なんてスケールの大きいものじゃない。

 『マイホームの圧倒的な居心地の良さ(堕落)』という、もっと手強くて幸せな魔物なのだ。


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