SS: 最強の城と最高の一撃(セリス視点)
「……はぁっ、はぁっ……」
大天守の展望デッキで、私は祈りの姿勢を解き、その場にへたり込んだ。
限界まで魔力を振り絞って放った『極大聖光浄化』。
それは、ただでさえ規格外のソフィア殿の魔法や、ユウ様のキャンピングカーの威力があってこその一撃だったけれど……それでも、私がヤマトの王都を、そして人々を救うための一助となれたことが、誇らしくてたまらなかった。
「セリス、よくやった! 本当に綺麗だったよ!」
「ユ、ユウ様……っ!」
コマンダーシートから振り返ったユウ様が、満面の笑みで私を褒めてくれる。
その言葉だけで、疲れなんて一気に吹き飛んでしまったような気がした。
王都を包んでいた禍々しい瘴気が消え、光が差し込んでくる。
この国に来たばかりの頃、ユウ様の作った『カツ丼』があまりに美味しくて、少しハメを外しすぎてしまったこともあった。
悪徳商人に怒ったり、お風呂の魔力で骨抜きにされたり……振り返ってみると、聖女らしからぬことばかりだったかもしれない。
(でも……今の私は、教会の祭壇に縛られていた頃よりも、ずっと『光』を身近に感じられている)
みんなと一緒に笑い、みんなで同じご飯を食べ、同じお家で眠る。ただそれだけのことが、どれだけ私の心を強くしてくれているか。
「ユウ様」
「ん? どうしたの?」
「……いえ。早く、『ユウの村』に帰りましょう。ツムギちゃんのオムライスも楽しみですが、やっぱり、またソフィア殿たちと一緒に、あのおっきな温泉に入りたいです」
そう言って笑うと、ユウ様も「そうだね」と優しく微笑み返してくれた。
ヤマトでの私たちの旅は、ここでひとつの結末を迎える。
けれど、最強のキャンピングカーと、この大好きなパーティの冒険は、まだまだずっと先へと続いていくのだ。




