SS: 番犬の防衛プロトコル(ポチ視点)
(ワンッ! 僕ハ、マスターノ番犬ダ!)
僕の電子頭脳は、常にマスター(ユウ様)やセリス様たちの安全を守るためにフル稼働している。
普段はモフモフの柴犬の姿で、ララ様と一緒にボール遊びをしたり、セリス様に撫でられたりする『マスコット』の役割をこなしているけれど、本当の僕は、キャンピングカーの防衛システムと直結した、最新鋭の自律型戦闘ドローンなのだ。
(ピピピッ……未確認ノ敵対反応ヲ検知)
キャンピングカーの前に座って仮眠モード(スリープ)に入っていた僕のセンサーが、森の奥から近づいてくる複数の人間と、人間ではない「邪悪な魔力波長」を捉えた。
(対象ノ脅威度……Cクラス多数。村への侵入ヲ試ミテイル模様)
僕はすぐに目を赤く発光させ、戦闘モードへと移行する。
ナビ様に状況を送信し、マスターを起こすためのアラートを鳴らす。
それと同時に、背中の装甲板を展開し、僕の自慢の武器――『非殺傷ネットランチャー』の照準を合わせた。
「な、なんだと!? 機械仕掛けの犬が……!」
(敵ノ動揺ヲ確認。ネットランチャー、発射!)
バシュッ!!
僕の放った特殊な網が、刀を持って突っ込んできた一つ目ゴブリンみたいなヤツをぐるぐる巻きにする。
この網は、マスターの指示により「相手を絶対に殺さず、かつ身動きを完全に封じる」ための高強度ワイヤーで編まれている。どんなに暴れても無駄だ。
(次! ナビ様、右後方カラノ奇襲ニ対シテ迎撃ヲ要求)
『了解。機銃掃射、ゴム弾にて制圧します』
僕の視覚データとリンクしたキャンピングカーのルーフから、ゴム弾の雨が降り注ぎ、森の忍びたちをバタバタと薙ぎ払っていく。
僕とナビ様は、言葉を交わさずとも完璧な連携がとれる「無敵のネットワーク」で繋がっているのだ。
(ガウウゥゥッ!)
マスターたちの睡眠を邪魔するヤツらは、この僕が全部追い払ってやる。
ただの犬じゃない。空飛ぶ要塞の、最強の番犬なんだから!
……戦闘が終わったら、またセリス様にいっぱい頭を撫でてもらおう。マスターに、とびっきり美味しいお肉(高級ジャーキー)をもらおう。
それを楽しみにしながら、僕は目の前の敵に向かって、もう一度力強く吠えたのだった。




