世界繊維危機関連 / そのほか現在情勢新聞記事
7章終了後の世界繊維危機とそれに伴う「森の民」の情勢の変化に関する新聞記事です。
主人公以外の視点での情勢推移について触れていきます。
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【 世界繊維危機――経済復興の見通し立たず世界的行き詰りに 】
我が国の産業を牽引し『魔王侵攻手形』に関わる金融不安すらも物ともせずに拡大に拡大を続け対外輸出金額の7割を占める繊維産業であったが、人造繊維の大暴落に呼応して現在相当な苦境時代に突入した。
ナイロンは昨秋から比較すると7割安となり半値どころか3分の1にまで落ち込んでいる。レーヨンは4割安、キュプラは3割安ともなれば、如何に高級素材であった人造繊維とはいえ既存の繊維産業との競合を避けられない。
既に生糸においては昨秋は220ゼニー前後の物が今は100ゼニー台まで下落し、ラルゴフィーラの国際鉄道線の貨物駅にて22万梱の滞荷が発生した。
これは世界的な価格の下落も起因しているが森の民国内における消費減退の影響もある。現在有力商会の繊維工場は平均して4割の操短を実施して生産量を調節しているものの、更なる資本圧迫が予想され情勢の悪化が予測される。
コンラッド宰相は「財政健全化政策と世界的な消費減退が重なった一時的障害であり、産業の再振に伴い、かつての『森の民金融恐慌』のように回復する」と語っている。その一方で王都では元々少額俸給者の失業登録所を開設していたが、本恐慌の発生に伴い、新たに中学校・高等学校・大学卒業者を対象とした知識階級対象の失業登録が今月1日より施行されている。この1週間で既に王都だけでも知識階級対象登録者は5000人を超えている。
( ガルフィンガング新報 11月7日 )
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【 2年後に迫る第83回国際恋歌帖大会――中止の方向で合意 】
世界的なカードゲームとして著名な恋歌帖であるが、今月2日に国際恋歌帖協会(旧・恋歌帖ギルド)は緊急総会において「昨今の情勢不安を受け、改善が見込まれない場合は中止という方向で各員の意見が一致した」と発表を行った。
原則5年に1度行われる本大会は、400年以上の歴史を持つことから中止となることは異例ということではない。直近においては25年前の魔王侵攻の影響で中止になっている。また中止の場合には『第83回』の名は7年後大会へ持ち越す決定も下されている。
( 東雲毎日民報 9月13日 )
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【 コンラッド宰相、ガルフィンガング中央駅にて群衆から暴力行為を受ける――命に別状はなし 】
26日午後4時、公務にてグローアーバン州に視察へ行っていたコンラッド宰相が特急列車にて王都・ガルフィンガングに戻り、ガルフィンガング中央駅出口から公道に停めていた公用車までの僅か数十歩の道程にて、銃声とともに群衆に囲まれ暴行を受けた。
宰相は血を流しながらも辛くも公用車へ飛び込み、そのまま病院へと向かった。銃弾は左肩と下腹部に命中、命に別状は無かったものの更に暴行により顔面・腹部・右下腿・左腰臀部打撲・挫傷の怪我を負った。
宰相の護衛に当たっていた警備担当者4名も負傷。宰相の関係者の1人が中央駅付近の警察署に逃げ込み事情を説明し、警察部隊の到着に伴い群衆は武装解除し拘束された。
現行犯として逮捕されたのは合計28名。いずれも昨今の景気変動の影響で失職した者とその家族であった。また犯行に使用されたとみられる魔法銃1丁、魔石銃2丁が押収されている。
( 大衆日報新聞 9月27日 )
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【 本年9月の労働争議件数が建国以来最大を記録――1ヶ月で昨年1年分を超過 】
森の民国内企業に対して労働組合が行ったストライキなどの労働争議件数が昨月9月に行われたものだけでも87件、参加人員も5472人に上り、これは昨年1年間で発生した労働争議件数(84件)を上回る状況となったことが内務省社会局の調査で分かった。これは1ヶ月間の労働争議発生件数としては森の民建国以来最大の数値。
同省は、「大手商会の繊維会社や工場を中心に賃金切り下げ・操短・休業・工場閉鎖が相次ぎ人員整理に対する反対運動が激化した結果」と分析している。
( 国民経済新聞 10月11日 )
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【 衆議院・貴族院両院による内閣弾劾の国王謁見を受け、今日にも総辞職か衆議院解散か 】
先月のコンラッド宰相襲撃事件を受け休養を取っている宰相だが、今月6日に衆議院・貴族院の両院の代表者による内閣弾劾の国王謁見が行われた。これは不信任決議よりも効力が強く、大公政務府及び近衛兵務府が謁見を認めたことで現内閣は何らかの対処に迫られることになった。が、肝心の宰相が怪我により政務が執り行えない状態であるため、事実上選択できるのは総辞職もしくは衆議院解散のいずれかと見られている。
( 大衆日報新聞 10月9日 )
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【 第16回衆議院議員総選挙――森の民国民同盟が多元民衆党を下し政権交代、統一国家党が第4党へ躍進 】
先月6日の内閣弾劾の国王謁見を受け、コンラッド政権は乾坤一擲の解散総選挙を選択したが、結果は燦々たるものとなった。
財政健全化・緊縮財政策を掲げる多元民衆党は『世界繊維危機』に対して有効な方策を取ることが出来なかった、と批判が強く大きく失速。第2党であった森の民国民同盟が単独過半数を有し与党へと返り咲く結果となった。
結果は以下の通り。括弧内は選挙前の議席数。
・森の民国民同盟 (87)→161
・多元民衆党 (131)→62
・森の民女神教民主連合(66)→60
・統一国家党 (7)→20
・公正保護党 (18)→9
・無所属 (4)→1
また国民同盟・多元の二大政党以外の情勢で特筆すべきは、社会保障の充実と軍事費の拡大を掲げる統一国家党が大きく票を伸ばしたことであろう。これまでは魔法使いや錬金術師らの軍備拡大派に支持されてきた統一国家党であったが、ここに来て低所得層の票田を大きく稼ぐことに成功した。
しかし同時に今回の選挙において統一国家党は『ガルフィンガング解放戦線』などの複数の過激派組織より不正な活動資金を授受したとされる匿名の投書や怪文書が出回り、選挙管理委員会より厳重注意を受けている。
( 大衆日報新聞 11月13日 )
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【 ランバード・シワード内閣発足 『可及的速やかにインフレ策を講じる』 】
第16回衆議院議員総選挙の結果を受けて、惨敗を喫した多元民衆党とコンラッド宰相は辞職、新たに与党となった森の民国民同盟の幹事長であるランバード・シワード氏が後任の宰相に任命され新内閣が発足した。魔法大臣と錬金大臣の両名は前政権から据え置かれたが、それ以外の大臣は全て交代。
就任演説では、前宰相のコンラッド氏の容態を気にかける発言も。しかしその前政権の経済政策をやんわりと批判した。最大の争点となる『世界繊維危機』への善後策は、積極財政への転換を行い『可及的速やかにインフレ策を講じ、経済状況を好転させるとともに失業保険などの社会保障を拡充する』とのこと。
その具体的な対策として『世界繊維危機』の引き金になった錬金術分野の技術革新を逆手に利用して、これまで製造難度の問題から大商会でしか行われていなかった『魔石装置』の生産を中小・地方企業へ推進すること、そして繊維の暴落により引き起こされたゼニー安の状況を輸出へと利用することを発表した。
また、産業整備と並行して一時的な雇用の受け皿として、魔法使い・錬金術師の常設部隊定員数を拡張、あるいは各州の総督が監督権を有する州兵の徴募を推進することで失業者を受け入れ、公共事業や鉄道網整備に従事させる方針も明かしている。
( 東雲毎日民報 11月16日 )
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【 建国以来初の成果! 我が国のサッカークラブチーム『リベオール・フロイデ』が決勝大会進出へ! 】
賢者の国で従来の日程から4ヶ月延期されて実施された『第7回国際運動競技大会』。リベオール・フロイデが革新的な戦術と他の追随を許さない連携を魅せ、グループリーグを我が国のクラブチームでは初めて突破。決勝トーナメントへ名を連ねることとなった。
ただ一方で『世界繊維危機』の影響を受けて出場国調整の為4ヶ月遅らせて実施されたものの、経済混乱と政情不安を理由に勇者の国・重戦士の国・修道者の国・冒険者の国・狩人の国の5ヶ国が本大会への参加を辞退している。
特に、勇者の国・重戦士の国・修道者の国の3国はサッカー強豪国とも知られており、今大会のレベルの低下は懸念されていた。
リベオール・フロイデのキャプテンであるアンスガー・フォルカー選手は「今回大会は不参加国が居たからこそ決勝に偶然上がれただけ。決勝では死力を尽くすが、次回大会以後も勝ち抜ける実力を付けていきたい」と語っている。
( 世界運動旬報 11月18日 )
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【 魔法系列学院で新しい教育 ――水族館で環境教育を施す? 】
王都にあるガルフィンガング魔法爵育成学院では、来年度より試験的に新たに課外授業科目を新設する方針が関係各所の取材で判明した。
環境教育の重要性を説き王都ではあまり触れる機会の少ない自然について見つめ直すことが目的。既に有志の生徒を利用した模擬効果測定をノヴレフルス水族館で行っていて、教育効果が確認できたとのことから来年度新1年生対象で課外授業という形で実施する意向を示している。
だが一方で国の運営する学校法人が、特定の民間企業に対して働きかけを行うことは癒着を生みかねないという批判も上がっており、また水族館の運営母体であるグローアーバン路面軌道株式会社では以前より退役・予備役の魔法使いを積極的に採用している事実も確認されている。
また、政府の景気対策の積極財政案で予算が獲得しやすくなっている現状を利用して、予算要求の水増しに利用しているのでは、という疑問の声も専門家からは聞こえている。
( 日刊森林 12月18日 )
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【 今年度の聖女の国との官吏交換留学生、相互受け入れ延期で合意――外務省文化事業局発表 】
我が国と聖女の国の親善を諸外国に示し、国際的な人材の育成のため実施されてきた官吏交換留学生の受け入れを、聖女の国との交渉の結果、両国ともに受け入れられる経済的状況に無いということで、本年度は実施しないことで合意した。
従来は『東西の両大学』として知られるガルフィンガング王国大学、フルスンネ王国大学から将来官吏を目指す者、あるいは魔法学院・錬金術大学校(大学課程準拠)並びに王都のガルフィンガング魔法爵育成学院・ガルフィンガング錬金爵育成学校(高等学校課程)の生徒・学生から希望者を募って聖女の国の学校へと留学・官吏の体験を行っていた。
本年度は女性生徒・学生の受け入れ問題で聖女の国人員の受け入れ先を私立校で行う交渉も外務省内で行われていたようであるが、それらの議論は水泡に帰した。
( イプシシマス探報12月号 11月25日 )




