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虹とロン毛  作者: かいちょ
第5章 虹と2人の神々の物語
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第90話 初恋? そんなの無意識に。

電柱に頭をぶつけてから、ロン毛は自然と話せるようになった。


ギターと挨拶をし、


雲に愚痴を聞かされ、



失業して先の見えない毎日だったが、ロン毛は不思議と以前より穏やかになっていた。


ロン毛 「変な毎日だな。」


「まあ、悪くないか。」


そんなロン毛を、イデア界から見つめる少女がいた。


虹。孤独だった七色の心。


人々を笑顔にする存在。


そんな虹は、最近あることに気づいていた。


虹 「また見ちゃってる。」


ロン毛が猫と遊んでいる。


虹 「楽しそう。」


ロン毛がギターを弾いている。


虹 「今日は調子いいみたい。」


ロン毛が面接をしている。


虹 「大丈夫かな……。」


気づけば、毎日ロン毛のことを見ていた。


アシスが呆れたように笑う。


アシス 「また彼を見てるのかい?」


虹 「うん。」


ナムネ 「好きなの?」


虹 「好き?」


虹は首をかしげる。


虹 「分かんない。」


虹「でも、なんか気になる。」


虹「今日は元気かなって思うし。」


虹「笑ってると嬉しい。」


虹「悲しそうだと心配になる。」


虹「変かな?」


ナムネは少し微笑んだ。


ナムネ 「変じゃないよ。」


ある日。


ロン毛がセミの命を守ったのだ。


虹はその様子を見て、思わず笑った。


虹 「優しい。」


アシス 「どうして気になるんだろうね。」


虹 「分かんない。」


虹「でも。この人、放っておけない。」


虹「なんか、ずっと一人で頑張ってる感じがする。」


ナムネは優しく虹を見つめた。


ナムネ 「それは大事な気持ちだよ。」


虹 「そうなの?」


ナムネ 「うん。」


「すぐに名前をつけなくてもいい。」


「気になるなら、気になるままで。」


虹は嬉しそうに頷いた。


虹 「じゃあ、そうする。」


アシスは小さく笑う。


アシス 「虹。」


虹 「なに?」


アシス 「それ、たぶん長くなるよ。」


虹 「いいよ。」


虹「私、長いの得意だから。」


何百年もの孤独を過ごしてきた虹にとって、誰かが気になるという感情は初めてだった。


恋なのか。


憧れなのか。


それとも、もっと別の何かなのか。


まだ虹には分からない。


ただ一つ確かなことは。


雨上がりの空に現れるたび。


ロン毛が少しだけ空を見上げて、


ロン毛 「虹色って綺麗だな。」


そう呟くたびに。


虹の胸の奥が、ほんの少し温かくなることだった。



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