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虹とロン毛  作者: かいちょ
第4章 ロン毛と2人の神々、そして虹
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第83話 ありがとう

約束の丘には、静かな夜が訪れていた。


夕焼けはいつしか星空に変わり、


七色の光だけが優しく空を照らしている。


姿は見えない。触れることもできない。


それでも、ロン毛には虹がすぐそばにいるように感じられた。


優しい風が吹く。草花が揺れる。


まるで世界そのものが、二人の再会を祝福しているようだった。


しばらくの沈黙の後、虹が小さく笑った。


虹「やっと会えたのになんか変だね。」


ロン毛「そうだな。」


ロン毛「会いたいことばっかり考えてたから。」


ロン毛「会った後のこと考えてなかった。」


虹「ふふ。ロン毛らしい。」


二人は笑った。


それは、昔のような、何気ない笑顔だった。


そして、虹が静かに言った。


虹「ねぇ、伝えたいことがあるの。」


ロン毛「うん。」


虹「ありがとう。」


ロン毛「え?」


虹「出会ってくれて。」


虹「笑ってくれて。」


虹「一緒にいてくれて。」


虹「私を好きになってくれて、ありがとう。」


ロン毛は言葉を失った。


そんなこと、今まで一度も聞いたことがなかった。


虹「本当はずっと言いたかった。」


虹「でも恥ずかしくて言えなかった。」


虹「だから今。」


虹「ちゃんと言うね。」


虹「ありがとう。」


ロン毛の瞳から涙がこぼれる。


ロン毛「ずるいよ、先に言うなよ。」


虹「えへへ!」


ロン毛は空を見上げた。


七色の光が優しく揺れている。


ロン毛「俺も、ありがとう、こんな俺と出会ってくれて。」


ロン毛「笑ってくれて。」


ロン毛「いつも隣にいてくれて。」


ロン毛「俺を好きになってくれて、ありがとう。」


風が吹く。遠くで鳥たちの声が聞こえる。


虹「私ね、ロン毛と出会えて幸せだった。」


ロン毛「俺も、お前と出会えて幸せだった。」


虹「いっぱい笑ったね。」


ロン毛「ああ。そしていっぱい泣いた。」


虹「喧嘩もしたね。」


ロン毛「でも、全部、大切な思い出だ。」


虹「うん 、全部宝物だよ。」


二人は笑った。


泣きながら笑った。


意地を張ることもなく。


隠すこともなく。


初めて、本当の気持ちを素直に伝えられた。


姿は見えない。手を繋ぐこともできない。


それでも、二人の心は確かに寄り添っていた。


夜空に浮かぶ七色の光は、まるで二人を包み込むように、優しく、


静かに輝いていた。


そして、雲の向こうでは、虹もまた涙を流しながら、


幸せそうに微笑んでいた。

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