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虹とロン毛  作者: かいちょ
第4章 ロン毛と2人の神々、そして虹
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第78話 七色の祈り

イデア界の空からは、少しずつ色が消えていた。


花はうつむき、風も弱々しく吹いている。


ロン毛は立ち尽くしていた。


もう終わりなのかもしれない。


そう思った。


虹に会えないまま。


みんなを守れないまま。


何もできないまま。


拳を握り締めたその時だった。


後ろから、小さな声が聞こえた。


アシス「そんな顔するなよ。」


振り返ると、アシスが笑っていた。


しかし、その身体は以前とは違っていた。


透けるように薄く、


立っているのもやっとという様子だった。


ロン毛「アシス……!」


アシス「まだ終わりじゃない、最後に一度だけ。」


ロン毛「無理するな!」


アシス「ははっ、お前、優しいな、でも、これは俺が決めたことだ。」


アシスはゆっくり空を見上げた。


そこには灰色の雲しかない。


アシス「約束したんだ、みんなを守るって。」


アシス「虹を、ナムネを、お前を。」


アシス「そして、この世界を。」


ロン毛は言葉を失った。


アシスは小さく咳き込む。


その度に身体の光がこぼれていく。


それでも、アシスは笑っていた。


アシス「泣くなよ俺、こう見えて調和を司る者だぜ?最後くらい、かっこつけさせろ。」


アシスは両手を広げた。


すると、消えかけていた木々が揺れ始める。


花が顔を上げる。


風が集まる。


遠くの雲が七色に輝き始めた。


大地が震え、


空の向こうに光の道が現れる。


アシス「見えるか?あれは約束の丘だ。」


ロン毛「約束の丘……!」


七色の光でできた一本道。


その先には、


かつて虹と笑い合った場所があった。


ロン毛の目から涙がこぼれる。


ロン毛「ありがとう……!」


しかし、アシスはその場に膝をついていた。


ロン毛「アシス!」


身体の一部が砂のように崩れ、


光となって消えていく。


それでもアシスは穏やかに笑った。


アシス「そんな顔するなって、俺はまだ消えない。」


アシス「だから早く行け、大切な人が待ってる。」


ロン毛「でも……!」


アシス「行け、お前たちの物語は、まだ終わってない。」


風が吹く。


木々が揺れる。


花たちが一斉に空を見上げた。


まるで、


世界中がロン毛を送り出しているようだった。


アシス「幸せになれよ。」


アシス「ロン毛。」


ロン毛は涙をぬぐい、


七色の光の道へと走り出す。


その背中を見送りながら、


アシスは静かに空を見上げた。


アシス「頼んだぞ。虹。」


アシス「頼んだぞ。ロン毛」


そして、消えかけた空に、ほんの少しだけ、


七色の光が戻っていた。

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