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虹とロン毛  作者: かいちょ
第4章 ロン毛と2人の神々、そして虹
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第72話 老人の正体

 老人「……やっぱり、来たか。」


 ロン毛「じいさん!」


 冬のライブハウスで「春になればいいことあるよ」と笑っていた老人。


 まさかこんな場所で再会するとは思わなかった

 老人はロン毛の顔を見ると、懐かしそうに微笑んだ。


 老人「昔のわしによく似てる。」


 ロン毛「え。」


 老人「大切なものを失って。」


 老人「それでも会いたくて旅をする、百年以上前のわしと同じじゃ。」


 風「じいさんも旅人?」


 老人「そうじゃ。」


 老人「昔、アシス様に助けられた。」


 老人「そして、ナムネ様に記憶を消され、人間界へ帰った。」


 ロン毛「!」


 老人「だが中途半端に記憶が残ってしまっての、人間界とイデア界を行き来できる、変な存在になってしまった。」


 老人は少し笑った。


 老人「アシスは優しい、優しすぎるくらいだ。」


 老人「だから、自分を犠牲にしてしまう。」


 老人「助けてやってくれ。」


 ロン毛「……ああ。」


 老人「それが。」


 老人「昔、助けられたわしの願いじゃ。」


 風「じいさん!消えそうになってる!」


 次の瞬間。


 春の風が吹き抜ける。

 気づけば。

 老人の姿は消えていた。


 風「消えた!」


 ロン毛「……。」


 そして。


 森の奥。


 木々の間に、小さな灯りが見えた。


 白い壁。


 花の咲く庭。


 ぽつんと建つ一軒の家。


 風「家。」


 ロン毛「アシスの家かな。」


 風「たぶん。」


 ロン毛「行こう。」


 ロン毛は、灯りの見える家へ向かって歩き始めた。


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