第44話 虹とかいちょ
春の暖かな午後。
商店街のベンチで団子を食べ終えたロン毛と虹は、のんびりと歩いていた。
虹「お団子、おいしかった!」
ロン毛「よかったな。」
虹「また食べたい!」
ロン毛「財布と相談だな。」
虹「財布さんとも話せるの?」
ロン毛「話せねぇよ。」
虹「そっか!」
ロン毛「悪いけど、俺そろそろバイトなんだ。」
虹「水族館?」
ロン毛「おう。」
虹「いってらっしゃい!」
ロン毛「適当に街でも見てろ。」
虹「うん!」
ロン毛は水族館へ向かっていった。
そして、一人になった虹。
虹「どうしようかなぁ。」
虹「ロン毛と話すの楽しいなぁ。」
そんなことを言いながら歩いていると。
???「おっ。」
虹「ん?」
???「君、もしかして。」
虹「?」
???「ロン毛の知り合い?」
虹「えっ!」
そこにいたのは、買い物帰りのかいちょだった。
虹「あ!かいちょさんだよね!?」
かいちょ「なんで俺知ってんの!?」
虹「ロン毛から聞いてる!」
かいちょ「マジか!なんか可愛いこと団子食ったって珍しくストーリー上げてたから、その特徴がめちゃ君でさ( ᐛ )」
虹「かいちょさん!そーなんだね!」
虹「歴史好きのカシオレ野郎でしょ!面白い人!」
かいちょ「全部ロン毛情報だろw」
虹「うん!」
かいちょ「ははは!」
かいちょ「なんか嬉しいな!」
虹「私も!」
虹「会えて嬉しい!」
かいちょ「せっかくだし、お茶でもするか!」
虹「する!」
近くの喫茶店。
かいちょはパンケーキ。
虹はクリームソーダを頼んだ。
虹「かわいい!」
かいちょ「可愛いって正義だよな!」
虹「うん!」
虹「すごい!」
虹「緑!」
虹「アイス!」
虹「さくらんぼ!」
かいちょ「テンション高いな!」
虹「楽しいから!」
二人は自然と打ち解けていった。
かいちょ「しかし、ロン毛も隅に置けないな。」
虹「?」
かいちょ「いや。」
かいちょ「最近よく楽しそうなんだよ。」
虹「ほんと?」
かいちょ「うん。」
かいちょ「前より笑うし、自然と仲良くなってるみたい」
虹「えへへ!」
かいちょ「で。」
かいちょ「虹ちゃん。」
虹「ん?」
かいちょ「ロン毛のこと好きなん?」
虹は食い気味に「好き!」と答えた
かいちょ「即答か!」
虹「優しいし!」
虹「ギター上手だし!」
虹「一緒にいると楽しいし!」
虹「笑ってくれるし!」
虹「会えると嬉しい!」
虹「会えないと寂しい!」
虹「今日も早くバイト終わらないかなって思う!」
かいちょ「……。」
かいちょはニヤリと笑った。
かいちょ「それ。」
かいちょ「恋じゃね?」
虹「恋?」
かいちょ「うん。」
虹「恋?」
かいちょ「好きな人ってやつ。」
虹「好きな人……。」
虹「ロン毛のこと?」
かいちょ「そう。」
虹「私。」
虹「ロン毛好き。」
かいちょ「うん。」
虹「恋なの?」
かいちょ「多分な。」
虹「へぇ。」
虹「恋かぁ。」
虹は窓の外を見た。
青い空。
春風。
そして、遠くに見える水族館。
虹「恋。」
虹「えへへ。」
虹「なんか嬉しい!」
かいちょ「いい笑顔だな。」
時間はあっという間に過ぎた。
バイトを終えたロン毛は、まさか自分の知らないところで。
親友と虹が、すっかり仲良くなっていたことをまだ知らなかった。
そして虹もまた。
初めて知った。
この胸の温かい気持ちの名前を。
恋ということを。




