第33話 新年初バイト くるまえびの様子が……
1月上旬。
正月気分もすっかり抜け、主人公ロン毛は今年最初のバイトへ向かっていた。
ロン毛「さあ、今年も頑張るか。」
館長「おう、ロン毛。新年初出勤だな。」
ロン毛「今年もよろしくお願いします。」
館長「こちらこそ。今年もくるまえびたちを頼むぞ。」
その時、ロン毛は隅の方でじっとしているくるまえびに気づいた。
ロン毛「ん?」
くるまえび「……。」
ロン毛「なんか元気ないな。」
くるまえび「……。」
ロン毛「館長、くるまえびの調子悪いんですかね?」
館長「そうか? 朝から落ち着かない様子ではあるが。」
ロン毛「大丈夫か?」
くるまえび「……なんか、お腹が重い。」
ロン毛「やっぱり体調悪いんじゃ。」
くるまえび「違うと思うんだけど……。」
館長「何話しかけてんだ。まぁちょっと様子を見てみるか。」
しばらくすると、
くるまえび「あっ。」
ロン毛「どうした?」
くるまえび「なんか、来る。」
館長「……なるほど。」
ロン毛「え?」
館長「体調不良じゃない。卵を持っていたんだな。」
くるまえび「館長の話で合ってるぽい……。」
ロン毛「そうだったのか!」
くるまえび「びっくりした、自分でも何事かと思った。」
館長「新年早々、めでたい話じゃないか。」
ロン毛「よかった。病気じゃなくて。」
くるまえび「親になるのって大変なんだな。」
ロン毛「確かにな。」
その帰り道。
ロン毛「そういえば……。」
スマホのカレンダーは1月8日だった。
ロン毛「あれ、明日、俺の誕生日だ、もう24歳か。」
くるまえび「えぇそうなの。」
館長「おーい、ロン毛!」
ロン毛「はい?」
館長「明日、誕生日だったな。」
ロン毛「覚えてたんですか。」
館長「そりゃ覚えてる。今年もいい一年にしろよ。」
ロン毛「ありがとうございます。」
くるまえび「お前も新しい一年が始まるんだな。」
ロン毛「そっちも子育て頑張れよ。」
くるまえび「おう!」
帰り道の月が、冬の空にぽつんと浮かんでいた。
ロン毛「また一つ歳を重ねる夜か。」
ロン毛「24歳か……悪くないな。」




