第28話 雪の王 ロン毛 伝説の大怪獣ヒオニ
吹雪に包まれた氷の王国。
漆黒の空。
凍りついた海。
巨大な氷の城の玉座に座るのは、雪の王ロン毛だった。
ロン毛「ついにこの時が来たか。」
側近の雪の使者が跪く。
雪の使者「王よ。」
ロン毛「岩巻はどうなっている。」
雪の使者「ゴミそのものです。」
ロン毛「気に入らんな。」
雪の使者「では。」
ロン毛「伝説の封印を解け。」
雪の使者「まさか。」
ロン毛「目覚めさせる。」
雪の使者「本当に。あれをですか」
ロン毛「大怪獣ヒオニを。」
その瞬間。
ゴゴゴゴゴ……
大地が揺れる。
氷山が砕ける。
海が凍りつく。
巨大な氷の神殿に刻まれた鎖が砕け散った。
バキィィン。
轟音とともに姿を現したのは、全身を氷の結晶に覆われた伝説の大怪獣ヒオニ。
ヒオニ「グォォォォォォ。」
月の使者「まさに神の化身ね。」
ロン毛「久しぶりだな。」
ヒオニ「誰だ。」
ロン毛「雪の王ロン毛だ。」
ヒオニ「我を目覚めさせたのか。」
ロン毛「そうだ。」
ヒオニ「望みは。」
ロン毛「岩巻を破壊せよ。」
ゴゴゴゴゴ……
ヒオニが立ち上がる。
その一歩で氷山が崩れる。
ヒオニ「グォォォォォ。」
ロン毛「行け。」
ヒオニの背中の氷結晶が青白く輝き始める。
キィィィィィン……
雪の使者「あれが冷凍熱線ですか。」
ロン毛「そうだ。」
ヒオニ「グォォォォォォ。」
その口から巨大な冷凍熱線が放たれようとした瞬間。
キズナ「起きて!」
ロン毛「ん...」
キズナ「起きて!」
ロン毛「なんだ。」
目を開ける。
そこはいつもの部屋。
こたつ。
テレビ。
そして、顔を近づける飼い猫のキズナ。
キズナ「いっぱいねてたねー!」
ロン毛「夢か。」
キズナ「変な寝言言ってたよ!」
ロン毛「なんて?」
キズナ「グォォォォって!」
ロン毛「ヒオニの真似だな。」
キズナ「ヒオニ?」
キズナ「夢の中で何してたの?」
ロン毛「ちょっと危ないこと」
キズナ「現実ではやめてね!」
ロン毛「そうだな。」
キズナ「お腹すいた!チュールちょーだい!」
ロン毛は窓の外を見た。
穏やかな空。
静かな町。
ロン毛「平和でよかった。」




