第27話 ポッキーを頬張る。
11月。
少し肌寒くなった午後。
ロン毛は早めにだしたこたつに入りながらポッキーをぽりぽり食べていた。
ロン毛「今日はポッキーの日だったか。」
ロン毛「まあ、毎日食べてもいいけどな。」
すると、隣で丸くなっていた飼い猫のキズナが目を開けた。
キズナ「そんなにおいしいの!」
ロン毛「猫にはやれないぞ。」
キズナ「むー!」
キズナ「そんな顔して食べてたら気になるもん。」
ロン毛「そんな顔してたか。」
キズナ「幸せそうだったぞ。」
ロン毛「そうか。」
キズナ「そうだもん( ⸝⸝⸝⩌⤚⩌*)」
部屋の隅に立てかけてあったギターが、弦を小さく震わせた。
ギター「今日は弾かないのか。」
ロン毛「あとでな。」
ギター「最近、あとでばかりじゃないか。」
ロン毛「忙しいからな。」
ギター「そう言って先週も寝てしまっただろ。」
キズナ「よだれ垂らして寝てたぞ。」
ロン毛「余計なことを言うな。」
すると、本棚の上に置かれた猫じゃらしが揺れた。
猫じゃらし「暇なんだけど。」
ロン毛「起きてたのか。」
猫じゃらし「出番が少なくないか。」
キズナ「最近は寝るほうが好き!」
猫じゃらし「そんなこと言わないでくれよ。」
キズナ「嫌いになったわけじゃないもん!」
猫じゃらし「本当か。」
キズナ「たまには遊ぶ!」
猫じゃらし「待ってました。」
ロン毛「じゃあ、少し遊ぶか。」
猫じゃらし「やったー。」
さっきまで眠そうだったキズナの目が急に丸くなった。
ロン毛「急に元気になったな。」
ギター「若いなぁ。」
キズナ「それは別問題だ。」
猫じゃらし「今日こそ捕まる気はないぞ。」
キズナ「がおー!」
猫じゃらし「ひえー。」
部屋の中を駆け回るキズナ。
ロン毛は笑いながら猫じゃらしを振った。
十分ほどして、キズナは疲れたようにロン毛の膝の上に飛び乗った。
キズナ「ふぅ。」
猫じゃらし「今日もいい運動だったな。」
ギター「平和な一日だな。」
ロン毛「そうだな。」
窓の外を見ると、夕焼けが赤く染まっていた。
ロン毛「十一月も始まったばかりか。」
キズナ「またのんびり過ごそうな。」
ギター「たまには弾いてくれよ。」
猫じゃらし「また遊ぼうな。」
ロン毛「まあ、ぼちぼちやるか。」
キズナは小さく喉を鳴らしながら、ロン毛の膝の上で丸くなった。
ロン毛は最後のポッキーを一本食べた。




