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山のふもとに住む少年アシスは、空を見上げるのが好きだった。
アシス「雨が止んだ後の空って、なんだか寂しいな。何か足りない気がする。」
一方、森の奥には、光を集めるのが得意な少女ナムネが住んでいた。
ナムネ「朝露が光るのってきれいだよね。もっとたくさんの色が見られたらいいのに。」
ある日、二人は偶然出会った。
アシス「君も空を見るのが好きなの?」
ナムネ「うん。でも、空にはまだ色が足りないと思うんだ。」
アシス「実は僕もそう思ってた。」
それから二人は、「空に色をつける方法」を探す旅に出た。
青い湖で水のしずくを集め、赤い花びらを拾い、夕焼けの光を瓶に詰め、夜明けの風を袋に入れた。
しかし、何度試してもうまくいかない。
アシス「駄目だ……。色は集まったのに。」
ナムネ「きっと何か大事なものが足りないんだ。」
その時、小さな雨粒がナムネの手のひらに落ちた。
そして、雲の切れ間から差した太陽の光が、その雨粒を照らした。
ナムネ「……あっ!」
アシス「どうしたの?」
ナムネ「色は作るものじゃないんだ。光と水が出会った時に生まれるんだよ!」
二人は急いで丘の上へ向かった。
雨上がりの空に向かって、集めたしずくを高く放る。
そこへ夕日の光が差し込んだ。
すると――
赤。
橙。
黄。
緑。
青。
藍。
紫。
七つの色が空に大きな弧を描いた。
アシス「すごい……!」
ナムネ「空に橋ができた!」
村の人たちは初めて見るその美しさに息をのんだ。
村人「なんてきれいなんだ!」
村人「雨の後の空が笑っているみたいだ!」
それ以来、人々はその七色の橋を「虹」と呼ぶようになった。
そして、今でも雨上がりに虹が現れるたび、風はこうささやくという。
「アシスとナムネが、今日も空に色を届けている。」




