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虹とロン毛  作者: かいちょ
最終章 ロン毛の決断、そして未来へ
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第99話 虹の幸せ

虹には、素敵な恋人ができた。


その名は『夢』。


かつて誰かが願った未来。


誰かが諦めなかった希望。


皆が望んだ幸せの形。


それが、ようやく実現したのである。


もう悲しみに泣く者はいない。


虹は穏やかに微笑み、


夢と共に新しい世界を歩き始めていた。


その姿を知る者は、もういない。


けれど、確かに幸せだった。


一方。ロン毛は、ただ毎日を生きていた。


朝起きて。


仕事へ行き。


疲れて帰る。


特別なことはない。


けれど、不思議と悪くない日々だった。


仕事帰り。


夕暮れの街を歩く。


子供たちの笑い声。


雨上がりの匂い。


濡れたアスファルトに映る夕焼け。


そして空には、薄く淡い虹がかかっていた。


ロン毛は足を止める。


ロン毛。「なんか……綺麗だな。」


理由もなく、涙がこぼれた。


悲しいわけではない。


寂しいわけでもない。


ただ、とても大切なものを見たような気がした。


胸の奥が、少しだけ温かくなる。


ロン毛「変だな。」


ロン毛「なんで泣いてるんだろ。」


そう言って笑う。


すると、


優しい風が吹いた。


木々が揺れる。


どこか遠くで鳥が鳴く。


名前も知らない花が揺れる。


ロン毛は空を見上げた。


ロン毛「明日も仕事か。」


ロン毛「まあ、頑張るか。」


その背中を、


誰かが優しく見守っていた。


七色の光の向こう。


虹は夢と手を繋ぎながら、


嬉しそうに微笑んでいた。


虹「ありがとう。」


虹「ロン毛。」


虹「あなたも幸せになってね。」


その声は届かない。


もう届くことはない。


けれど。


夕焼けの空にかかった小さな虹だけが、


まるで返事をするように、


静かに輝いていた。


そして世界は、


今日も優しく回り続ける。

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