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苛立ちを抑えるために深呼吸を繰り返していると、スライムの『あお』が腹にポヨンと飛び乗ってきた。
コイツは俺が間違って1ポイントで召喚してしまったスライムだ。
青色だから『あお』。安直と笑いたければ笑えばいい。
俺は自他共に認めるほどネームセンスがないからな!(涙目)
ああ、このポヨポヨの弾力が癒される……。
あおのお陰で幾分か苛立ちが収まった俺は、村について詳しく聞くことに。
「コア、村の名前は? どの方角にあるんだ?」
「ゼイル村ハ、森ヲ出テスグノ道ヲ北西二向カッタ先二アリマス」
「ゼイル村か。道に沿って行けば着くなら、迷う心配はないな。因みに危険はないのか?」
「街道二魔物ガ出ルコトハ滅多二アリマセンガ、『ゴブリン』や『角兎』ガ出ル可能性ハ0デハアリマセン」
「やっぱダンジョンの外にもいるんだ……。ていうか、魔物とモンスターの違いって、何だ?」
「モンスターハ、ダンジョン内ノ魔物ノ総称デス。呼ビ方ガ異ナルダケデ、ドチラモ同ジ魔物デス」
ふ〜ん、どっちも魔物でいいじゃんて思うのは俺だけか?
……あ、そうだ。
「コア、この国っていうか、村にはやったらダメなルールとか風習ってあるのか?」
前に海外旅行好きの友人が言っていたが、ある国では頭の上に神が宿ると考えられていて、人の頭を触るのはタブーなんだとか。
法律で決まっているわけじゃないけど、知らないから許されるとかじゃなく、行く側が調べて気を付けるのが当然だと友人は言った。
俺もそう思う。郷に入っては郷に従え、だよな。
「特ニハアリマセン」
――なかった。
「気を取り直して、早速薬草とナイフをDPで出しますか」
薬草は換金用に、ナイフは防御用に。
魔物がいる世界で丸腰での移動なんて有り得ないからな。
薬草数種類と、ナイフをアイテムボックスに仕舞う。
他にも水のペットボトルとおしぼりとおにぎりを数種類、疲れた時用の甘味としてどら焼きもアイテムボックスへ。
「コアはコア部屋から出られないんだよな」
「出ラレマセンネ」
……ただの黒いボールのコアに、呆れ顔という表情が見えた気がした。
分かってたけど、ちょっと一人で外に出るのが不安になって言ってみただけなのに。
フイと視線を逸らした先に、あおがいた。
「そうだ! あおも一緒に行こう」
最弱のスライムだけど、俺の癒し、精神安定剤として連れていくことが決定した。




