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「異世界に、来ても金ナシ、彼女ナシ(五七五)チ――ン」


 独りごちた後、ハァァァァと大きな溜息をつく。


「なあ、DPと銀貨の交換とかは出来ないのか?」


 ムリだとは思うが、一応コアに尋ねてみる。


「出来マセン」


 ……だよねー、知ってた。出来るんなら銀貨が必要云々の説明の時、コア(コイツ)から交換するか聞いてきただろうし。


「どうにかして街の中に入れないかなぁ? 洞窟の中で見つけたとか言って薬草を売れば俺にはいくらかの金が入るし、それを耳にして薬草採りにくるヤツも出てくると思うし。そしたら俺がわざわざダンジョンて言葉を口にしなくても、他の誰かが気付いて広めてくれるんじゃないか?」


 チラリとコアに視線を向けるが、返事はない。

 多分だが、今のは俺の独り言認定されているような気がする。

 なぜなら『なあ』とか『あのさ』とか『コアはさ』なんて呼びかけた時には、ちゃんと返事があるからだ。


 ていうかさ、このコア俺に塩対応じゃね? 勝手にダンジョンマスターにされた可哀想な俺に、もっと優しくしてくれてもいいと思うんだけど。

 ……ああ、目から汗が。

 仕方なくさっきの独り言はなかったことにして、コアに別の質問をしてみる。


「なあ、身分証を手に入れるにはどうしたらいい?」

「冒険者ギルド、或イハ商業ギルドニ登録スレバ身分証ヲ入手出来マスガ、登録手数料ガ必要デス」

「ここでも金かよ」


 金がないと何も出来ないことが発覚しただけだった。


「ったく、金を払わないで入れる街とかねぇのかよ」


 やってられないとばかりに投げやりに言う俺に、コアが淡々と返す。


「街デナク、村ナラ手数料ヲ払ワズ二入レマス」

「マジで?」


 喜びかけて、ハッとする。

 コア(コイツ)のことだから、期待させておいて実は馬車で十日の距離だとか言い出すかもしれない。コイツ相手には慎重なくらいで丁度いい。


「一番近い村までの距離は?」

「馬デ七時間、歩キデ十二時間の距離トイッタ所デショウカ」


 思ったより全然遠くなかった。


「じゃあ、まずはその村に行って金を稼ぐのが先だな。……っていうかさ、村の話、もっと早く教えてくれても良かったんじゃね?」

「聞カレマセンデシタノデ」


 ……コイツ、マジで殴りてぇ! 

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