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俺がダンジョンマスターになってから一週間が過ぎ、現在――。
「何だよゼロってぇぇぇぇぇえええ!!」
俺はロフトにあるベッドの上で頭を抱えて叫びながら、ゴロゴロ転がっていた。
あんなに一生懸命カスタマイズしたダンジョンだったが、侵入者は未だゼロ。
DPは1ポイントも増えてはいない。
まあよく考えてみれば、ここにダンジョンがあることを誰も知らないのだから、侵入者もクソもないわけだ。
すぐそこに浮いているダンジョンコア曰く、このダンジョンから一番近い街は帝国で五番目に大きな街らしく、なかなかに栄えているらしい。
街の東門から北東に向けて数時間歩いた森の奥にこのダンジョンがあり、認知さえされれば冒険者はやって来るだろうとのことだが……。
問題はどうやって認知させるか、である。
誰かが見つけるのを待つ……のはいつになるか分からないので却下だ。
となれば――。
「なぁ」
転がるのをやめてむくりと起き上がった俺は、ダンジョンコアに尋ねる。
「俺はダンジョンのエリア外に出ても大丈夫なのか?」
漫画や小説なんかで、ダンジョンマスターはダンジョンの外に出ると死ぬっていう設定のものもあったんだよな。
「ハイ、マスターガダンジョンノエリア外ニ出ル事ハ可能デス」
どうやら大丈夫らしい。ホッと安堵の息をつく。
ならば。
「俺が街にダンジョンがある事を知らせるのが、一番手っ取り早いかな」
「マスターガ直接行カレルノデスカ?」
「ああ、ついでに街の中の様子も見てきたいな」
コアからザックリとこの世界の事を教えてもらいはしたが、やっぱり自分の目で確認してみたいんだよね。
この世界の人間達の趣味嗜好を理解することで、ダンジョンに反映出来ることもあるだろうしさ。
……ていうのは建前で、せっかく異世界来たんなら色々見て回りたいじゃん?
冒険者ギルドとか見てみたいじゃん?
エルフとか獣人とかドワーフとか、見るだけでテンション上がらん?
なんて、不埒なことを考えていた罰があたったのか、無情な言葉が静かなロフト内に響く。
「街ニ入ルニハ身分証ノ提示、或イハ銀貨五枚の支払イガ必要デス」
「……え? 身分証? 銀貨五枚?」
「身分証ノ提示、或イハ銀貨五枚デス」
「俺、どっちも持ってないけど」
「デハ、街ニハ入レマセンネ」
「詰んでんじゃねぇかぁぁぁぁああ!」
再度ベッドの上でゴロゴロ転がる俺。




