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「なぁ、さっきからいい匂いがしないか?」
「ああ、多分説明してたバーベキューゾーンからの匂いだと思う」
「腹減った……」
「食い物は有料って言ってたけど、ちょっと見るだけ見てみないか?」
見るだけならということで、皆でバーベキューゾーンに向かう。
向かった先には思った以上に大きなバーベキューコンロが三台あり、各コンロに男性が一人ずつで調理している。
その隣には大きなピザ窯があり、その前には女性が立っていることから、彼女がピザを担当しているらしい。
誰かの喉がゴクリと鳴った。
一人がフラフラとコンロの前に歩いていく。
「ここの料理は有料だと聞いたが、幾らぐらいするんだ?」
「肉の串焼きは一本銅貨一枚〜三枚で、お肉の種類によって値段が変わります。野菜串とソーセージ、串エビと焼きイカは銅貨一枚、ホタテやハマグリなどの貝は銅貨二枚です」
「え? 安過ぎないか?」
「毒でも入ってるとか?」
「いや、でもめちゃくちゃ美味そうなんだが」
コソコソ話していると、フラフラとコンロの前に歩いていった調査隊の一人が、銅貨一枚を差し出して言った。
「串肉を一本くれ」
「角兎の肉でいいですか? 他はまだ焼けていませんので」
「ああ、それでいい」
「では」
角兎の串焼きを受け取った調査員は、徐にかぶりついた。
無言で咀嚼する調査員を見守る調査隊の面々。
調査員の動きが止まる。
「おい、やっぱり毒でも入っていたんじゃ……」
「美味いっ!!」
調査員はひと言叫ぶと、無我夢中で残りの串肉を頬張り出した。
それを見ていた調査隊の面々も我慢出来なくなり、我先にと銅貨を手にコンロ前に並び出す。
あっという間に火の通った串焼きは売り切れ、次に焼き終えるまで少し時間が掛かるという。
手にすることが出来なかった面々はガックリと項垂れたが、
「ピザが焼き上がりました」
という声に、ピザ窯の前に向かって駆け出した。
「ピザは幾らだ?」
「一ピース銅貨一枚です」
「三ピースくれ!」
「俺も三ピース」
「僕は二ピースで」
串焼きとピザを夢中で頬張る調査隊。
そのうち誰かがポツリと言い出した。
「喉渇いたな」
「そういえば、俺も」
「俺もだ」
誰か一人が気が付くと、皆もつられて気が付いてしまうというアレだ。
「ビール一杯銅貨一枚です」
という声に、調査隊が殺到したのは言うまでもない。




