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烏の濡れ羽色の長い髪を後ろでゆったりと一つに結び、深い闇を連想させる切れ長で漆黒の瞳を持つ悪魔族のこの男。
新しく仲間となった彼のことを何と呼んだらいいものか。迷った俺は、コア部屋一階の食卓に婆さん賢者とNPC、イケメン悪魔族と俺の四人で話し合いをすることにした。
別に、いざとなったら俺以外の誰かに丸投げしようなんて思っていない。……少ししか。
「これからコア部屋で同居する仲間になるわけだし、呼び名があった方がいいと思うんだ」
「ふむ、リュー坊以外のワシらの名前をつけるということか」
「うん、まあそういうことだ」
「好きにつけてもらって構わない」
イケメンが言った。
てかさぁ、声までイケてるとか、神様ズルくない? 天は二物を与えないんじゃなかったのかよ!
ああ、目から汗が……。
「言っておくが、俺は名付けのセンスねぇよ?」
スライムの『あお』は色が青いからそうつけたわけで、俺がイケメンに名付けたら『くろ』になるけど、いいのかそれで?
「各自で好きな名前をつけてもらうとかはどうかな?」
皆が黙って考え始める。
一番最初に決めたのは婆さん賢者だった。
「ワシはマグナにしようかの」
「マグナか。何か意味があるのか?」
「ん? 南の大陸の言葉で『偉大』という意味じゃよ。賢者のワシにピッタリじゃろ?」
「あ〜、はいはい。マグナね、了解」
自分で言っちゃうところが婆さんなんだよな〜。
まあ、きっとこれからも俺は『婆さん』呼びしてしまうのだろうけど。
俺は軽く流して二人に聞く。
「二人はどうする?」
「マグナ殿にお願い出来るだろうか?」
イケメンが婆さんに視線を定めた。
多分、マグナという案外まともに聞こえる名前だったから、頼むことにしたんだろうな。
案外ちゃっかりしているのか?
NPCは初期設定で婆さんの命令は絶対って設定しているせいか、俺が何か言ってもニコニコ笑顔を浮かべているだけだ。
「構わんぞ」
婆さんは快諾して、そしてとんでもない名前を口にした。
「じゃあ、東の大陸の言葉で『大吉』はどうじゃ?」
「ブハッ!」
思わず飲んでいたお茶を吹き出したのは、不可抗力だ。
このイケメンの名前に大吉とか、いや、婆さん面白過ぎるだろ。
俺のアンドリューも酷いが、それ以上だぞ?
「大きな運に恵まれるという意味らしいんじゃが」
イケメンはよく分かっていないからか「ダイキチか……」と満更でもない様子。
え? 嘘だろ? このままだと本当にこのイケメンの名前が『大吉』に決定しちゃうんだけど!?




