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 初めてのスキル使用で魔力切れを起こし気絶した俺だったが、翌朝目を覚ますと、ベッドサイドで俺の『人をダメにするクッション』に腰掛けてうたた寝している婆さん賢者に気付いた。


 どうやら飯の時間になっても降りてこない俺を心配してNPCを迎えにやったが、そこで気絶していた俺を発見。

 NPCに婆さんをおんぶさせてロフトに上がり、夜通しの看病をしてくれたらしい。


 何か、田舎の婆ちゃんを思い出した。

 俺が中学に上がる前に亡くなった婆ちゃん。

 ……働き者で優しくて、太陽みたいに笑う婆ちゃんが、俺は大好きだったんだよな。

 まあ、婆ちゃんはこんなにしわくちゃでミイラみたいじゃなかったけど。


「……ありがとうな、心配してくれて」


 婆さんの手をキュッと握ると握り返された。


「気分はどうじゃ?」


 ムクリと起きた婆さんに尋ねられる。


「ん、もう大丈夫そうだ」

「ならええが、今後魔力を使う時は賢者であるワシに言え。色々教えてやる。もう、魔力切れなんぞ絶対に起こさせんからな」

「……ああ、約束する」


 召喚失敗だったかも、なんて一度でも思ってごめん。心の中で謝罪した。

 ちゃっかりしてるし、口は悪いし、でも料理は上手くて何だか温かい婆さん賢者がいてくれて良かったと、ちょっとだけ感謝した、ん、だが……。


「それでじゃな」

「ん?」

「ここから降りるのにおんぶをお願いしたいんじゃが」

「は?」


 登るのは何とかなったが、降りるのは難しいと。

 いや、まあ、俺が心配掛けたのが悪いんだけどさ。

 俺も非力だから、婆さんをおんぶしてロフトの階段降りるとか、無理だぞ?


 ……仕方なく、俺より体力のある人型モンスターを召喚することにした。


「……ここは?」


 スラリと背が高く、しなやかな筋肉を持つ美丈夫なこの男は悪魔族だ。

 男の俺から見てもイケメン、超カッコイイと思ってしまうビジュアル。

 そんな彼に俺が開口一番に告げたのは、


「そこの婆さん賢者を下の部屋まで連れて行ってやってくれ」


 だった。

 ちなみにダンジョンの方だが、俺が気絶している間に少しだけ話が進んでいたらしい。

 まず最初にきた二十名の調査団のうち五名が残り、後発の調査団十五名と三階層以下を調べる。

 残りの十五名は一度街に戻るのだとか。

 となれば、十日間は三十五名分のDPが入ってくるが、それ以降は二十名分のDPしか入らないということだ。

 まあ、その間はボーナスポイントだったと思うことにしよう。

 調査団のお陰で、このダンジョンも無事五階層まで作ることが出来た。

 今後、ここは人間にとって有益なダンジョンとして共生していけるよう、様子を見ながら少しずつ手直ししていくつもりだ。

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