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「マスターノオ気持チハ分カリマシタ。デスガ、ソノママデハ『ダンジョンマスター』トシテ生キ残ルノハ難シイデショウ」
「……好きでダンジョンマスターになったわけじゃない」
「……」
「俺は、普通に、人間として暮らしたかった」
「……厳シイコトヲ言ウヨウデスガ、ダンジョンマスター二ナラナケレバ、マスターハコノ世界デハ生キ残レナカッタデショウ」
「そんなの、やってみなけりゃ……」
「分カリマス。武器モ装備モ金モ持タズ、食ベ物モ水モナイ。コノ世界ノコトヲ何モ知ラズ、ドウヤッテ生キ延ビタト? キット一日モモタナカッタデショウ」
コアの言葉の一つ一つが突き刺さる。
コアの言うことが正しいのは頭では分かっているけど、心が追いついていかない。
多分、きっと、もう元の世界には戻れない。
だから、覚悟を決めて生きていくつもりだった。
この、死という概念が近い世界で。
……でもさ、俺はそんな強い人間じゃない。優柔不断でウジウジ悩む、代わりなんていくらでもいるような弱い人間なんだ。だからきっと、勇者召喚の途中で放り出されたのかもしれない。
「……人間モ、モンスターモ、死ナセナイダンジョンナド不可能デス。デスガ、出来ルダケ死ナセナイヨウ努力スルコトハ出来マス」
「え? 死なせない、努力?」
「ハイ。現在コノダンジョンニハ、食用二召喚シタ一階層ノ角兎、経験値稼ギ用に召喚予定ノメタル系モンスター、ソレニ召喚済ミノゴブリントコボルトノミ。ココデワタシカラノ提案デス。メタル系ハ四階層デハナク、三階層二扉ツキノ別部屋ヲ作リ、ボス部屋ノヨウニシマショウ」
「……提案って言いながら、もう決まってる感じだな。まぁ、いいけど。それで?」
「四階層ニハゴブリンノ集落トコボルトノ集落ヲ作リ、ルートヲ二ツ二分ケマス。ソシテ五階層を最下層トシ、マスターノスキルデ寄生生物ノエリアヲ作リマス。五階層二下リル階段横ニハ命ノ危険ガ高イコト、ココカラ先ハ自己責任デアルコトヲ書イタ立テ看板ナド設置シマス」
「それのどの辺が死なせない努力なんだ?」
「大抵ノ冒険者達ハ旨味ノナイ四階層ニハ下リズ、三階層デ留マルデショウ。四階層以下二進ム者ニハ忠告トイウ看板ヲ出スコトデ、ソノ先二進マヌヨウ努力シテイマスヨネ?」
確かにこのダンジョンは高ランクの冒険者が好んで来るようなダンジョンではないし、四階層に下りる旨味を感じない。
絶対冒険者が来ないとは言いきれないが、討伐回数は少なくて済むだろう。
それで? 忠告の看板? 冒険者達がそれより先に進まないよう努力している……ことになる、のか?
「……プ、ハハハ」
思わず声を立てて笑ってしまった。
コアらしいというか何というか……。




