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「は? 魔力? 全権譲渡? マスター? 情報量が多くて意味分からんのやけど」
思わず呟いた言葉に返事するように、その球体が語り出す。
「ココハ消滅寸前ノダンジョンデス。ワタシハ、ダンジョンコア。マスターノサポートヲサセテイタダキマス。マスターの手腕ニヨッテ、コノダンジョンヲ生キ返ラセテクダサイ」
「いやいやいやいや、ちょっと待て! ダンジョンて、人類の敵みたいな感じじゃ……」
「オ名前ノ登録ヲオ願イシマス」
「いや、だから、登録しちゃったら、冒険者とか騎士とか、怖い人達が俺を倒しに来るんだろ!? ヤダよ、そんなの!」
「既ニダンジョンノ全権ハ、マスターニ譲渡済ミデス。大人シク諦メテクダサイ。ソシテ、オ名前ノ登録ヲオ願イシマス」
「おま、勝手に何てことしてくれちゃってんの!? イ――ヤ――ダ――――!!」
「オ名前ノ登録ヲオ願イシマス」
「だから、嫌だって言ってるだろ!」
「オ名前ノ登録ヲオ願イシマス」
この下りを何度も繰り返した結果、折れたのは俺だった。
「だ――――――、もうっ! 分かったよ、登録すりゃいいんだろ、ったく。安藤竜」
「アンドリュー様デスネ。登録完了シマシタ」
「違う、アンドリューじゃねえ! 安藤竜!」
「アンドリュー様」
「だーかーらー、安藤竜だってば!」
「アンドリュー様」
「……もういいよ、それで」
ダンジョンコアの相手はマジで疲れる。もう好きにしてくれ。
やさぐれモードの俺を気にすることなく、ダンジョンコアがダンジョンの運営について話し出す。
「ダンジョンノ運営ハ、ポイントガ全テデス。マズ初期ポイントトシテ、五千ポイントガ付与サレマス。ソノポイントヲ消費シテ、ダンジョンノカスタマイズ、モンスターノ召喚、アイテムの創造ガ可能デス。ナオ、ソレラハコチラノタブレット内カラオ選ビクダサイ」
この言葉と共に、突然何もない空間からタブレットが現れる。
「マスターノオ仕事ハ、DPヲ稼ギ、ダンジョンヲ拡大スルコトデス。DPヲ稼グ方法デスガ、侵入者一体駆除スル毎ニ100ポイント、侵入者一体ガダンジョン内ニ一時間留マル毎ニ、5ポイントガ入リマス。因ミニ、マスターガ召喚シタモンスターガ殺サレリポップスル際、一体ニツキ5ポイントカラ100ポイントガ消費サレマス」
「ちょっと待った! そのリポップだけど。モンスター以外の、たとえば罠とか毒草なんかのリポップもポイント消費されるの?」
「ソレにツキマシテハ、タブレット内ノモンスター一覧ヲゴ確認クダサイ。モンスターニ分類サレテイルモノ以外ノリポップハ、ポイントノ消費ハサレマセン」




