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ギギギィィィ、という軋んだ音を立てて宝箱を開けるむさいオッサン冒険者達。
皆が興味津々で宝箱の中身に注目している。
「分かる! 分かるぞ、その気持ち。宝箱を開ける瞬間て、何かワクワクするんだよな!」
スクリーン前で思わず腕を組んでウンウン頷く。
しかし彼らは中身が初中級者向けの短剣だと分かると、少し残念そうな顔になった。何でだよ!
『短剣かよ』
『これは……ギルドで売るに決定でいいな?』
『ああ』
『せっかくだ、小遣いが増えたと思って喜ぼうぜ』
『んじゃ、その小遣いを増やすためにちょっとだけ薬草採取して帰るか』
『『『おう』』』
そう言って小一時間ほど単価の高めな薬草だけを採取し、彼らはダンジョンを後にした。
「なかなかにポジティブな冒険者達だったな」
この日俺が手にしたDPは5ポイント×4人×1時間=20ポイントだったが、その前にゴブリン召喚の△10ポイントとチェンジした短剣の△50ポイントで、合計△40ポイント。
残り少ないDPを減らしたことは痛いが、大人の冒険者にダンジョンの存在が知られたことは大きい。
この後彼らがダンジョンの存在を報告すれば、近いうちにギルドは調査団を組んで派遣してくるはずだ。
「ふふふふふ……」
笑いが止まらない。
これでやっとダンジョンの運営に着手出来るようになるぞ。
ここを不労所得ダンジョンにするために、既存のダンジョンとは全く違う、新しいタイプのダンジョンを目指すのだ。
……とはいえ、三階層以下は全くのノープランだから、今のうちに考えておかないと。
「出来るだけ長く留まりたくなるようなダンジョンか……。コア、何かいい案はあるか?」
「稼ゲルダンジョンデショウ。ソモソモ稼ゲナケレバ、冒険者達ハダンジョン二ヤッテキマセンノデ」
「いや、それはそうなんだけどさ。あまり大盤振る舞いし過ぎてDPカツカツじゃ意味ないじゃん?」
「……デハ、マスターガ留マリタクナルノハドンナ空間デスカ?」
逆に質問が返ってきた。
「留まりたくなる空間、か。う〜ん、強いて言うなら『居心地のいい空間』かなぁ」
「……」
何か今『何言ってんだ、コイツ』っていう目で見られている気がする。
いや、でも……。案外イケるんじゃね? 居心地のいい空間。
よし、決めた! 三階層のテーマは『癒し』にしよう!




