6
あれから子ども達は、一日おきにこのダンジョンに現れるようになった。
彼らがダンジョン内で薬草を摘むのは決まって三時間強で、それは二日に一度、45ポイントのDPが入るということでもある。
ありがたいこととはいえ、正直に言ってこれっぽっちのポイントでは、ダンジョンをカスタマイズするのに気が遠くなるほどの時間を要する。
子ども達の口からここの話が広まって、冒険者達が来てくれることを期待していたものの。
待てど暮らせど来るのはこの三人組だけということは、薬草を安定して積むことの出来るダンジョンの存在を、彼らだけの秘密にしているのではないか。
因みに子ども達が摘んでいる薬草は、誰もが知っている比較的手に入れやすい薬草で、一日に稼げる金額は良くてパン二個〜三個分くらいのものだ。
一般的な大人がここまで歩いて往復五〜六時間、子どもの足ならもっとだろうに、そんなんじゃ割に合わないだろうと思ってしまうのは、俺が飽食の時代を生きてきたからか。
今子ども達の足元には希少な薬草があるにもかかわらずそれには目もくれていないのは、彼らの薬草知識が乏しいからに他ならない。
スラム街の人間がいつまでも底辺抜け出せないのは、学がないためちゃんとした仕事に就くことが出来ないからだ。
中には冒険者となってそこから抜け出す者もいるが、魔法が使えたり戦闘能力が高くなければ、その冒険者を続けることも叶わない。
何というか、厳しい世界だ。
「やっぱアニメや小説みたく、そうそう上手くはいかねぇよな……」
やはり俺が街に行ってダンジョンの話を広めてくるしかないか、仕方なくそう腹を括った時だった。
薬草を摘んで帰る途中だった子ども達が、ゴブリンに襲われて怪我をしたらしい。
まあ、これまで無事に通えていたことがラッキーだっただけで、いつそうなってもおかしくはなかったのだ。怪我だけで済んで良かったと言うべきだろう。
そして、なぜ俺がそのことを知っているのかといえば。
そう、ギルドの討伐依頼でこの森に来ている冒険者達を、リアルタイムでスクリーンに映して観ているから。
といっても、洞窟外のエリアから見える範囲までしか映せないのが難点だけど。
「おお〜、森に冒険者だよ! そのままダンジョン見つけて入ってくれ! 薬草あるぞ! 宝箱だってサービスしちゃうぞ! カモ〜ン!」
おかしなテンションで変な動きをしている俺を不思議そうに見ているあおと、無言で呆れて見ている(だろう)コア。
いや、だってさ、やっとダンジョン近くに来た冒険者だよ? 彼らがダンジョンを見つけてくれたら、俺の手間が減るじゃんか。




