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「……え? 侵入者?」
「ハイ。マスターガ眠リニツク少シ前、子ドモノ男女三人組ガ、ダンジョン内二侵入シマシタ。マスターニオ伝エシマシタガ、キチント聞イテオラレナカッタゴ様子」
丸一日以上眠り続け、昼になってようやく目を覚ました俺に、コアが嫌味たっぷりに初めての侵入者が来たことを伝える。
けど、そんなコアの嫌味よりも、あと数日待っていればあんなに大変な思いをして村まで行かずに済んだという事実の方が、俺にはショックだった。
「マジか……」
とはいえ、何でも屋の老人と門番の男と知り合えたから、良かった……のか?
「昨日ノ記録ヲゴ覧ニナリマスカ?」
「え? 記録を観られるの?」
てっきりリアルタイムでしか観られないと思っていたので、ちょっとだけ驚いた。
っていうか、子ども達? こんな森の奥に?
訝しみながらも、俺が「ああ、頼む」と頷くのと同時に目の前にスクリーンが現れ、ダンジョン内の映像が映し出される。
「おお〜!」
ダンジョンの拡張やらカスタマイズなんかは全てタブレットで操作していたため、まさかスクリーンで観られるとは思ってもみなかった。
思わずチラリとコアに視線を向ける。
まあ、俺が指摘するとまたコアは『今言イマシタ』とか言うんだろうけどさ。
小さく息を吐いてスクリーンに視線を戻す。
画像はかなり鮮明で、ズームもワイドも可能らしい。
キョロキョロと周囲を見渡しながら、恐る恐る洞窟内に足を運ぶ三人の子ども達。
「本当に子どもがいる……」
「……」
俺の言葉に気分を害したのか、コアからの返事はない。
画面に映る子ども達は、歳の頃は十歳前後といったところか。栄養状態があまり良くないのか、かなり痩せている気がする。
よくよく見れば髪はボサボサだし、着ているものもあちこちで綻びが目立っていた。
この子ども達はもしかして……。
「スラム街の子か?」
「ソノ可能性ガ高イト思ワレマス」
こんな森の奥にまで子ども達が来るなんて……。
少ないとはいえ、この森の中にはゴブリンや角兎などが生息している。
手に持っているナイフは刃こぼれがあり、これでは魔物に致命傷を与えることは出来ないだろう。
たまたま見つけたのだろうが、よく無事にダンジョンまでたどり着けたと感心する。
ダンジョンは洞窟を五十メートルほど進むと開けた草原エリアとなり、外と同じように空には太陽と月が時間によって交互に浮かぶ。
初めてダンジョンを目にする者からしてみれば、屋内なのに空が見える不思議空間だ。
子ども達はしばらくの間ポカンとした顔で草原エリアを見ていたが、足元にある薬草に気付くと笑顔を浮かべながら夢中で摘み始めた。
ただ摘むだけの画像を見続けるのも何なので、コアに言って画像を早送りにしてもらう。
結局三人は三時間ほど掛けて薬草を摘むと、満面の笑みを浮かべながらダンジョンを後にした。
この日俺のダンジョンに、5ポイント×3人×3時間で45ポイントが入った。




