異世界生活始まりの「家主」
家主は激おこですが、とりあえず冷静を保ってます。爆発までまもなく、5、4、3、2、1。
「ただいま、です」
「入ったら?そこの方も一緒に」
そこの方と指差したのはオークさん。
「あ、あのあのオークさん怪我してて...その、運ぶの手伝ってください...」
幼女の言葉が縺れる、家主はあくまでにっこりしているが君が悪い。
「そう。じゃあ僕が運ぶから、君はそこの方の知人の人と会ってあげなさい」
「あ、はい」
そう言うと、家主はオークさんの方へ歩いて行った。
「よいしょ、っと」
玄関でいつもより靴を綺麗に揃える。ようやく明かりのある所へかえって来たとほっとする、そして幼女は自分の格好をよく見ると思っていたより酷く、泥と土と汗で服はとんでもなく汚れていた。
(顔も汚れてるかな、部屋を汚す前にお風呂に入った方がよさそう...)
でも勝手に入るのが何となく憚られた幼女は、とりあえず靴下を脱いで居間へ向かった。
「あーうっ」
「あのお方っ、助けてくださってありがとうございました!あの時、私だけでは殺されていました...あぁ、こんなに汚れてしまって...」
カーテンをくぐり居間へ入った途端、バスタオルらしき物を体に巻いたお母さんが赤ちゃんを抱き、涙を浮かべて幼女の方へ駆け寄って来た。
「あ、あのお方っ?」
あのお方呼びされた幼女は驚きを隠せない、そして二人とも体を洗ったらしく赤ちゃんは素っ裸だった。
「はい、本当に本当にお礼を言っても足りません...あの、夫は?」
「いっ、生きてます!今は眠ってます」
「あぁそうですか、良かった...」
幼女が笑ってそう答えるとお母さんはまた涙を浮かべてついに泣いてしまった、そしてありがとうございます、と言葉を繰り返している。
「あの、私汚れてるのであの」
「そうですよねっ、ごめんなさい私ったらっ!どうぞお風呂にお入りになってください、私共も使わせて頂きましたから...」
「いや、そうなんですけどその...」
家主はまだ外に出てから帰ってきていない、勝手に入るべきかどうするべきか幼女は考えた。
「入ったら?お風呂」
「ひぇ、やっ家主さんっ?!」
後ろで馴染みのある声が聞こえて、幼女の体がビクッと跳ねる。
「汚い野良猫は洗わないと、ね?」
家主に野良猫と呼ばれた幼女は大人しくお風呂に入る事にした。





