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異世界で記憶のない毒舌幼女とポンコツ魔術師。  作者: くるすみ。
追憶の書。
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異世界生活基本の「まけるな」



「たっ、大変だ!今すぐ隠れて、魔術師だ!」


オークのお父さんにいきなり背中を押されたと思えば、部屋の奥へと連れていかれた。気づかなかったけどもう一つ奥に扉があったようで、そこに私とオークのお母さんと赤ちゃんが入る。部屋は狭くはないが、ここには家具や生活用品はなく、ただ地面にランプが一つだけ。


「な、何するのよ、あなた!」


「すまない、だが今は隠れてくれ!魔術師だ、しかもあの服は宮廷から来た奴らだ、見つかったら始末される!」


「宮廷、まさか!こんな山奥に来るわけないじゃい!」

「いや来た、もう扉が壊される。バレたんだ、場所が!」


「そんな訳ないわ、だって今まで...ずっと...」


始末?宮廷?魔術師?私は何のことかと思ったけれど、オークのお母さんは青ざめた。あぁ恐ろしいと、赤ちゃんを抱きしめて怯え始めた。お父さんも震えながら私とお母さんと赤ちゃんが入った部屋に鍵をかけようとする。


一人で戦うつもりなのか。


「ま、待ってっ!」

「どうしたんだ!君も入ってなさい、奴らに見つかったら普通の人間である君まで始末される!」


オークのお父さんはそう言ったが、私は部屋から出た。


「あ、あの、奴らとか始末とかよく分からないですけど、私何かしますっ」


「無理だ、君みたいな小さな子には...」


バン、バンッ!!


お父さんの言葉を遮るように入り口の扉が壊れた音がした、外は真っ暗なせいで光は入ってこないけど、さっきまでは入ってきていなかった強い風がすさぶいている。


暗闇の中から人影が一人、二人と見えた。


お父さんはどうしようもなさそうに、私を外に出して奥の部屋の鍵を閉めた。そしてお父さんは片手に棒のような武器を持って私を見た。


「私が奴らを引きつけてるうちに、逃げなさい。奴らは、目の前の始末するべき事に全力を注ぐ、始末するべき者を始末さえすれば、あとは気にしないタチだ」


「でも、オークさんが...だって、あんな...」


見れば私でもわかる、数でさえ不有利なのに相手は魔術師、物理で襲っても接近して戦うのは余りにも不利。いくらオークさんの体が大きくて、力が強くても、武器一本じゃ勝てる確率は低い。




「大丈夫、私はどうにかする。目をつけられないように、素早く逃げなさい。相手は宮廷魔術師だ、魔術をかけられたらおしまいだ」


「どうにかする」何処ぞの誰かさんが無責任に放った言葉ですが幼女はどんな反応をするのでしょうか?


ブックマークありがとうございます。

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