異世界生活基本の「ルナさん」
「...あ、えっと」
「お兄ちゃんには今日行くって言ってないんだけど、まぁいっかなって思って来ちゃったの。急に来てごめんなさい、私ルナって言うの」
ルナさんはまたにこっと笑った、昨日のあの人。私と家主さんの跡をつけて家主さんとは話したはずだけど、急な用なのかな。
「あ...いえ、どうぞ」
私はルナさんを家にあげた。とりあえず、私が寝ていたソファに腰掛けてもらって紅茶と家主さんが沢山作り置きしてあるお茶菓子を用意する事にした。
「あ、これどうぞ。お菓子です」
「わぁ、美味しそう!お兄ちゃんの手作りかぁ、ふふっ」
私がティーカップとティーポットをトレーに乗せて運んでくるときにはもう、ルナさんは用意したお茶菓子を食べ始めていた。
「...あの、今家主さん居なくて。もうちょっとしたら帰ってくるとおもいます」
「そう分かった。小さいのに偉いのね、ありがとう」
「わ、いやあのこれぐらいは...っ」
ルナさんの綺麗な手で頭を撫でられる、家主さんとどこか似た雰囲気だからか何故か落ち着く。あと家主さん以外にあまり頭を撫でられた事がないせいで、ちょっとだけ恥ずかしい。
「ふふっ、かわいーっ」
「うぅ......」
恥ずかしくて、すっかり頬っぺたが熱くなってしまった。それを隠しながらカップになみなみと紅茶を注いだ。
「美味しいこの紅茶っ!ふふっ、それにしても本当にこんな小さい子と暮らしてるのね、お兄ちゃん」
「?」
「あ、べつに貴方の事を悪く言ってるわけじゃないの。でも変わっちゃったなって、貴方は昔のお兄ちゃんの話知ってる?」
「昔の家主さん、ですか?」
「そう、昔のお兄ちゃん。すごくカッコよくて魔術も完璧でどんな難しい魔術だって、当たり前のように成功させる。仕事に手は抜かないし、いつだって成功のために手段は選ばないの。それを非難する人も勿論いたけど、でもね結局は皆お兄ちゃんの魔術の虜なのよ!」
自慢げに家主さんの話をするルナさんはキラキラしていた、とても素敵な笑顔で家主さんの話をする。





