異世界生活基本の「いもうと」
「おなかはもういっぱい...です」
全開に開いた窓からカーテン越しに爽やかなハーブの香りを風が運んでくる。家主が練習に出かけてから、結局強い睡魔に勝てなかった幼女はソファで爆睡していた。
「あの、すみませーん」
そして先ほどからドアの向こうから誰かの声がしていた。こんな森の中に客人だろうか。
「すみませーん!だれかいらっしゃいませんかー?!」
「すみませんってばー!」
「うぅ、何ごとですか...」
気持ちよく眠っていたのに、女性らしき人の大きな呼び声で目が覚めて、目をこすり無理矢理体を起こす。
「ひとがっきもちよく、眠ってる時にっ」
少しイラつきながら毛布をソファ纏めて置く、背伸びをしてドアノブを掴みドアを開けると、慌てた様子で白のローブを着た女の人が入ってきた。
「あ、良かったっ誰かいた!ちょっと助けてくれません?!」
「わっ!!」
勝手に家に入られた挙句、思い切りぶつかってしまい私はドンッと尻餅をついた。いたい、お尻がズキズキする。
「ご、ごめんなさい!やだ私ったら、本当ごめんさないっ!」
「はぁ」
よくよく顔を見ると長いポニーテルを揺らして大きな目をぱっちりとさせた元気そうな女の人だった。私は女の人の手を借りながら立ち上がる。
「あ、あのっ、それでちょっと匿ってもらえたら嬉しいのだけどっ!あ、ていうかここお兄ちゃんの家よね?!」
「え...」
お兄ちゃん?お兄ちゃんって誰?
「え?ここよね、ルイスの家っ!」
「ル、ルイス?」
ルイスって誰だろう、家主さんの名前?私が首をかしげると、目の前の女の人は、あ!と何か思いついたのか手を叩いた。
「ええと、貴方は家主って呼んでるんだっけ?その家主って人、私のお兄ちゃんなのっ」
彼女は、ぱあっと明るさを撒き散らしていくような笑顔で笑った。





