異世界生活基本の「お出かけ」
「ん、うぅ......」
朝ごはんをお腹いっぱい食べ終えて、ソファに寝転ぶ。幼女は先ほどからうとうとと眠りに落ちていき、そしてハッ!として現実に戻ってくる、それを繰り返していた。
「無理しないで寝ていいよ」
そして家主に頭を撫でられてまた眠りに落ちそうになる、暖かい日差しに包まれふかふかのソファ、このままだと本当に寝てしまう。
「でも、でも...今日は」
家主が出かける、魔術の練習らしい。魔術は毎日のように練習して行かないと魔力が錆び付くらしく、日々の練習はかかせないらしい。
でも何も怪我をした次の日にやらなくても、と幼女は少し拗ねていた。そして家主が魔術の練習に、この森の家から歩いて10分ぐらいの近くの川に行っている間はお留守番。
そしてまた家主に何かあったら困る、その時に動けずまた家主があんな風に怪我をしていたら嫌だ、それだけは嫌なのだと幼女は訴えた。
「眠いんだろう?ただの練習だし怪我なんてしないよ。大丈夫」
怪我も擦り傷がほとんどだし、と家主は付け加えた。
「でも、怪我痛むんじゃないんですか?それにべつに今日じゃなくても...」
「ちょっとだけ、でも大丈夫だよ。それに昨日は魔力切れで魔術を使えなかったけど、次あんな事があって魔術を使えないと困るから」
「昨日は君を家に帰らせる事になったけど、次は守れるようにね」
そう言って幼女の額にキスをした。幼女は少し驚いたが、数秒してから頬が熱くなってきた。
「っ、じゃあ、家主さん。お約束ですよ、ぷりーずあふたーみーです」
「どうしたの?」
幼女がソファに寝転びながら、立っている家主を見上げる。
「危なかったらにげる」
「はい、危なかったら逃げる」
「しっとで魔物さんは、座らない」
「っ......シットで魔物さんは、座らない」
痛い所をつかれ、家主は眉をひそめた。
「むりをしない、命だいじに」
「無理をしない、命大事に」
いじょうです、と幼女が話した。
「はい分かったよ」
家主は苦笑いしながらも、玄関で靴を履いた。魔法の練習というわりには、さっきと同じラフな格好で行くようで、荷物は財布と分厚い古びた本を持っている。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
幼女に見送られて家主は家を出る、幼女は気楽に考えることにした。





