異世界生活の基本の「ざっし」
「この前街にお買い物行ったときに、オークは怖いっていってる人がいたんです」
幼女の声が少しだけ小さくなる、怒られるような罪悪感に包まれてしまう。
家主は少し考えて再び幼女に向きあった。
「まだ王都の方はオークの存在を恐れてる人が多いのは事実かなぁ、まぁそれもここ最近で結構変わったんだけど、やっぱりまだ昔からの良い事も嘘も含めた言い伝えがそこら中にあるから」
付け足すように家主は淡々と話す。オークに対していい意味であれ悪い意味であれ自分なりの考えを持てるよう、家主は言葉を紡いでいく。
「なるほど...?」
分かったような分からないような。
「気になるなら読んでみるといいよ、古い雑誌はそこに纏めてそこに置いてあるから。それを読んで君がオークをどう思うか、聞かせてほしいな」
家主はさっきとはまるで別人のように、幼女を試すかのように笑っていた。
「......読み聞かせするかい?」
「しませんっ」
幼女は慌てて家主から距離をとった。
「ちなみに、家主さんはどう思うんですか?」
「うーん...オークは長生きするから色んな事を知ってるし、まだ街じゃ恐れる人は多いかもしれないけど僕にとっては面白い種族だと思うよ、あ、勿論この雑誌も」
オークに知能はないと言われる中、字を書けるオークが居る事、そしてその字で記事を書いて商売をしてる事が家主にとっては斬新で新鮮で面白いらしい。
「私は、ちょっと怖いなっておもいます」
「...まぁ、子供向けの本とかでもオークは良い印象与えられてないからね。親から教え込まれる子もいるだろうし」
家主は苦笑いして、幼女の頭をぽんぽんと撫でた。
「何はともあれ、自分の目で確認するのが一番だよ」





