異世界生活基本の「こわさ」
「大丈夫?疲れてない?」
「家主さんこそ大丈夫ですか?そんなに若くないんですから...」
「僕まだ20代だからね?!」
幼女をおんぶしながら家主が歩く事、10分。度々幼女に心配されながら家主は店にたどり着いた。
「すみません、こちらに忘れ物を...」
家主はたまたまレジにいた定員に問いかけた、幼女はおんぶから降ろされて辺りをうろちょろしている。
「こちらのシルクハットでしょうか?」
「あぁ、それです!すみません」
目当ての黒いシルクハットを受け取った家主、受け取ってから定員と何か話し込んでいた。
「...よし、終わったよ。行こうか」
「はぁい」
シルクハットを被った家主に幼女は手を引かれて店を出る。
「どこいくんですか?」
「早いけど、もう晩御飯にしようかと思って」
幼女は手を引かれながら街の時計を横目みる、ようやく日が暮れ始めた5時だった。
「まぁ、また夜にお腹空いても家で軽く何か作るよ」
ね?と幼女に微笑みかける。
「でもっ、どこで?」
「さっき定員さんにオススメのお店教えて貰ったから、そこにしよう」
微笑みながらぐいぐいと幼女は手を引っ張られる、オススメのお店と一緒に何か教えられたのか早くこの場を離れたいかの様にひたすらに引っ張られる。
「や、家主さんっ!」
幼女は引っ張られる手が痛く赤くなってきて、声を荒げた。家主は手を離す事をなく少しだけ力を緩めた。夕日に照らされ黒い影が二人、地面に並ぶ。
「...ごめんね、今は黙って」
「?」
なんだかいつもの家主さんじゃない、それだけを幼女は感じ取っていた。





