異世界生活基本の「ともだち」
「なぁ、お嬢さん」
「なんですか?」
「お嬢さんが家主と呼んでるあのお兄さんは、元は宮廷に居たの知ってるか?」
「はい」
「記憶がない事も?」
「?...はい」
クロードは熱心に問いかけているけど、一体どうしたんだろうか。そう思っているとクロードが勢いよく僕の方を振り返った。
「おい、お前記憶がない事まで話したのか?」
「え?あぁ、そうそう!昨日の夜話したんだよ」
すっかり言うの忘れてたなー、と誤魔化し笑いをした。
「お前...いや別に言うなとは言わないが、言うべき事も言わず、そういう話をぺらぺらと話す奴がいるか」
「言うべき事?」
「お前の名前だよ」
あぁ、なるほど。
「あのー」
ふと下から声がしたかと思うと疲れてしまったのかまだかまだかと言わんばかりに、少しイライラしてムスッとしたマイヴィーナスが立っていた。
「ごめんごめん、疲れたよね。もう帰るかい?」
帰る、と即答かと思いきや少し考えてから小さな口を開いた。
「晩ごはん、王都で食べたいです」
「外食もいいね、せっかくだし食べて帰ろうか。夜までまだ時間あるけど...」
腕時計を見るが、まだ夕方の4時前でまだ日も眩しい。店に入るには早すぎるけど、これ以上歩かせたら疲れるだろうし、だからといって抱っこするのは拒絶されそうだな。
何かいい案は、と考えていると、何か思い出したように下から声をあげた。
「どうかしたかい?」
「そーいえば変な人いましたよ、家主さん」
「は?...」
それは不審者とかそういう類の人のことだろうか。僕は慌てて肩を掴んだ、クロードも興味ありげにこちらを見つめている。





