異世界生活基本の「くろーど」
クロードさん、家主と同じ宮廷魔術師でしたが家主さんと並んでかなり出来る人です。でも家主の方が色々と優秀だったらしく、実質家主の補佐の様な感じでした。記憶を無くす前の家主が生まれつきの完璧人間の天才だとするなら、クロードさんは人に好かれる(人間味のある)天才かなって思います。まぁ人間味がある分完璧人間ではないですが、ないよりはいいかなって感じです。
「あぁ、もう時間だ」
ふと腕時計を見てもう待ち合わせの時間が近づいてる事に気付いた。
「ガキとのか、俺も行く」
そういうと手に持っていたジャケットを羽織った。
「あまり怖がらせないで欲しいんだけど...」
「任せろ」
ニヤッと自信満々にいうクロードだが、大丈夫かなと思いつつ待ち合わせの噴水の前へ向かった。
「あ、いたいた」
あの子はくたびれたのかリュックを横に下ろして噴水前で鳥に市販の餌をあげていた、夕方に近づき、建物で日差しが遮断された噴水広場は人が大勢いた。
「おーい、ごめんね。待ったかな?」
慌てて駆け寄るとこちらに気づいた幼女は何でもないそぶりで鳥に餌をあげきった、そしてクロードに気づきペコっとお辞儀をした。
「こんにちは、俺はこの家主の友達だ。クロードという、宜しく」
「よろしくお願いします、家主さんがお世話になってます」
クロードはさっきとはまるで違う態度でこの子に対して丁寧に挨拶をして、握手で返した。そしてこの子もこの子でにぎにぎと握手を交わした。
「それにしても綺麗な格好してるな」
「あ、これ、家主さんがつくってくれました」
ひらひらとドレスの裾をつまんで見せる、クロードは一瞬驚いた顔をして僕の方を見たけど、すぐに幼女と目線を合わせた。
「へぇ、そうか。ん?というか、そういえばお前名前ないのか?」
「?ありません、けど。でもそれは家主さんもじゃないんですか?」
クロードは今度こそ目を見開いて、この子に聞こえないよう僕の腕を引っ張って小さな声で話始めた。
「どうかしたかい、クロード」
「...おい、お前あのガキの名前知らないのか。というか言ってないのか」
「いや、あの子自分の名前覚えてないし、僕の名前言っても仮の名前だし、昔の僕の名前じゃないし、なら家主って読んで貰えばいいかな、って」
「ふぅん、別にあのガキの名前はともかく、お前はお前の名前呼ばせればいいんじゃないのか」
「それは、考えなかったなぁ...」
「0まぁ、どっちでもいい。ただ怪しまれない様にしろよ」
それは誘拐とかと間違われては困るからという理由らしい、確かに言われてみれば。名前で呼ばせるのもいいかな...。
考えていたけど、クロードはさっさとあの子の元へ戻ってしまった。





