異世界生活新しい「本物の光」
「クッソ!なんだよ、この馬鹿力は...」
雑魚と思っていたのに。
「...はぁはぁ」
家へ向かってばあさんと家主が無事なのを確認する暇もなく、キュプロクスの奴らは俺めがけて襲いかかって来た、残り数人のキュプロクスは家主とばあさんを探してか、一階の部屋という部屋を漁り始めた。
「金属音...」
なんでもいい、スプーン同士叩いたような音でもきっとコイツらは反応する。
「っ、ラッキー!」
俺はニヤッと笑った。たまたま花瓶の横に置かれていたコインを手に取った、それを手の中で揺さぶったり擦ったりして、どうにか金属音を出す。
「ーーー」
それだけでキュプロクスはまた動きを止めて、どんどん俺の方へ近寄ってくる。このまま家の外まで誘導してしまえばいい、どうせなら裏庭に誘導しようと思い裏口に向かった。
ゆっくりゆっくり、家を周っていたキュプロクス達も誘導されて、裏口のドアから外へ出ていく。
「よし、後はこのままーーー」
(やべぇ、後の事なんも考えてなかった…)
少し焦った。だが、ふと家の周りのどこからかドタドタと足音が聞こえた気がした。そして確かに音がしている事を確信してこちらへ近づいてきた、かと思えば、気づけばもう目の前にいた。
「貴様ぁぁぁぁぁあああ!」
「ーーーなっ?!」
クソみたいにデカイ槍をブン回して、避ける事も出来ず俺はその場に尻餅をついた。
(なんでコイツだけ...あぁ、アイツが話してたキュプロクスだ!コイツだけ2倍も3倍もでけぇし、なんか怒ってるし)
「こんのぉぉぉぉ!殺せぇぇぇ!」
そしてまたデカイ槍をぶん回す、驚きすぎて腰が抜けたのか足に力が入らない。
ハッとして、コインを揺らしもせずぎゅっと汗まみれの手でただ握りしめていた事に気がついた。後ろを振り返えると、殺意に満ちた沢山の一つ目が俺を睨んでいる。
「っ、嘘だろ...」
前からはデカイ槍、後ろからは沢山の槍と弓、あぁ、俺死ぬのか?
心音が加速していく。
(ばあちゃんーーーーばあちゃんーーー)
「待て、そこまでだ」
低い声が響いた。その瞬間、一閃の透明な光が走った。闇を裂くような早さで駆け巡った光は瞬時にキュプロクスの体にすっと、溶け込むように刺さっていった。
ひと筋のか細い煌めく光が、まるで硬く長い棒のように、全てのキュプロクスを次々と貫いた。
「無事か、少年。あぁリュカ君と言ったな」





