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異世界で記憶のない毒舌幼女とポンコツ魔術師。  作者: くるすみ。
終わりの僕と始まりの君。
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異世界生活新しい「決めた事」


「おい、キュプロクスはお前が狙いなんだろ。ならお前が外に出ろ」


リュカ君は私の前に立ってそう言った。


「そもそもお前らがここに来たからこんな事になってんじゃねぇか、どうにかしろよ!!なぁ、ばあちゃんもそう思ってんだろ!」


「リュカ、やめなさい...」


リュカは唇を噛んで何とも言えない怒った表情で幼女を睨みつけた。

「...ごめんなさい」

「謝って済むかよ!このままじゃ家が...っ」


ガタガタとついには玄関の方からも音が近づいて来るのをリュカは感じていた。


(玄関はもうダメ、窓から出るしかないか)

幼女が窓を開けようとすると、家主が腕を強く掴む。


「君一人で何が出来る?小さな体で走ったって、魔術を使ったって、君の体は回復してない。限界が来る、魔力だって底がないわけじゃないんだ」


「でも家主さん、時間がないです。私が行かないと、この中で一番魔術を使える(戦える)のは私です。家主さんが行った所で魔術も使えないのに、それこそどうするんですか?」


「っ、それは間違ってない確かに僕は無力だ。でも君一人でなんて...」


「誰も一人でなんて言ってません。ねぇリュカ君、来てもらえませんか?」

「ーーー俺は、ロクな魔術使えねぇぞ」

「いいんです、ちょっと相手の気を引いたりしてくれるだけで」


「...分かった」

「ありがとうございます」


納得してくれたリュカに幼女は笑みを向けたが、おばあさんがリュカの腕を掴んだ。



「待ちなさい二人とも、正気なの?家がそう簡単に壊れはしないわ、きっと。だからここで音が鳴り止むの待ちましょう?ね?」


「ばあちゃん、あの時の事忘れたのか?母さんと父さんと俺が三人で家にいた時、2階の窓から入って来た大型の魔物に気づかず父さんも母さんも殺された、家は血まみれ目の前で親を殺された、運が悪い事に俺だけが助かった。待つだけじゃ死ぬ」


「...リュカ...っ」

おばあさんは泣き崩れた、それでも玄関へ靴を取りに行ったリュカを止める様子はなく、幼女は隣の窓から身を乗り出し、家主の方を振り向いた。


「家主さん、家主さんはおばあさんをお願いします。大丈夫です、私は守りに徹します。下手に挑発したりしません。それでどうにかして攻撃をやめてもらいます」


「っ、どうにかする。は信用できないんじゃなかったのかい?」

3年前の話を持ち出して、家主は悲痛な顔をする。


「そうですね、誰かさんのせいで。でももういいんです。それに私の事は信じてもらっても大丈夫ですよ、裏切ったりしませんから」


「...は、ははっ...ははっ。そんなに自信が...ははっ」

自信ありげに笑みを浮かべた幼女に、家主はもはや諦めたのか不気味に笑う。


「ほら、靴持って来た。それ履け。ってなんでこいつ笑ってんだ?キモいぞ」

「家主さんは気にしないであげてください、リュカ君行きましょうーーーサンクチュアリ」


幼女は光の結界をリュカと自分に張った。結界を大きくすればするほど魔術をかけている本人の見えない所の負担も大きいので、出来る限り節約しなくてはいけない。



そして渡された茶色の革靴を履き、作戦を頭に巡らせながら窓の淵に足をついて外へ出た。

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