異世界生活新しい「夜の月」
「どうぞ、召し上がってくださいな」
軽やかなクラシック調の音楽と共に、ダイニングテーブルの上には色とりどりの鮮やかな料理が並ぶ。
「すみません、ご相伴に預かってしまって」
「あらいいのですよ。もう6時半ですし、あの子はまだ眼を覚ましそうもないですから」
おばあさんは、皿をコトンとテーブルに置きソファに腰掛けた。おばあさんとリュカ君、そして僕で相席の形になってる。
「ご心配お掛けしてすみません、僕があんな魔術のミスをしなければこんな事には...」
「後の事言っても仕方ねーだろ、早く食おうぜ」
「...そうねリュカ。家主さんも昼から何も食べてらっしゃらないのでしょう?さぁお食べください」
おばあさんは微笑み、僕は有難く食事を頂く事にした。チキンやサラダ、パンにスープなど一般家庭の家庭料理が並び、おばあさんが上品にスープを啜る側でリュカ君は怒涛の勢いで食べ終えていた。
そんなリュカ君をおばあさんが、「もっと落ち着いて食べなさい」と促す。
「だって腹減ってんだから仕方ねーだろ。あ、おい家主、そのデザートいらねぇなら俺が貰う」
「うん、どうぞ」
「サンキュー」
僕はヨーグルトにフルーツが添えられたデザートをリュカ君に渡した。そしてそれをリュカ君はガツガツと口に運んで行き、あっという間に殻になった。
「はぁ、食った食った」
「こら、食べてすぐ寝転ばないの」
「うぇ...」
僕はそんなやり取りを微笑ましく思いながら、スープの残りの具をスプーンで掻き寄せ纏めて口に運ぶ。
すると唐突に、家の外でガタンっと何かを物を倒したような音が響く。
「今なんか音しなかったか?」
「そうね、もう夜なのに何かしら...」
僕も不思議に思って窓を覗いた。すると再び同じような音が家の周りから響いた。
「あら、また?」
おばあさんは心配そうな面持ちで窓を見つめる。
「チッ、うるせぇな。俺外見てくる」
「一人で行くの?もし何かあったら危ないわよ」
「僕も一緒に行くよ、リュカ君」
「...あっそ。じゃあばあちゃん行ってくる」
「気をつけてね、家主さんも。もう外は暗いから懐中電灯を持って行った方がいいわ」
「あぁ、ありがとうございます」
僕はおばあさんから懐中電灯を受け取り、リュカ君の後を追って玄関へ向かった。





