異世界生活新しい「出会い」
記念すべき100ページ目ですが、本編はほのぼのしつつ危機を迎えてるので、特にこれといって祝うことはありません。これからも二人の行く末を見守って頂けると幸いです。ブックマークや評価などありがとうございます。感想も受け付けております。
「そうですかね、僕は人を育てた経験がないので。あぁでも、もうすぐこの子とは離れるんです」
「あらまぁ、そうなの。...じゃあ何処かにお預けになられるの?」
「僕はそうして欲しいんですが、それはこの子に決めて貰おうと思っていて」
家主は幼女の頭を撫でる、幼女は気持ちよさそうに家主の方に顔を埋めていた。
「そうなのね。ふふっ、うちにもこの子と同じぐらいの歳の孫がいるのよ。可愛くって可愛くって、男の子なんだけれどね」
少し頬を赤らめておばあさんは上品に微笑んだ、まるで花が咲くようなふわりとした笑顔で。
「その子もね、魔術師を目指して今は魔術学園へ通ってるのよ。うちはあまり裕福ではないしあの子の母も父ももうこの世にはいないのだけど、私が喫茶店を出してお金を稼いでるの、あの子にはいつか立派な魔術師になってほしくて」
「それは...凄いですね」
家主が感心すると、おばあさんは手を横に振って少し悲しそうに眉を潜めた。
「ふふ、私は働く事が楽しいからいいのよ。だけどねぇ、正直孫はあまり魔術がうまく使えないらしくって成績も良くないの。座学はとてもいいのだけどねぇ」
「あらやだ、こんなつまらないお話ごめんなさい。貴方のお話が聞きたくて話しかけたのに...申し訳ないわ...」
おばあさんはこれ以上話すのを躊躇う。
「...いえ構いません。良ければもっと聞かせてくれませんか?まだこの子は起きそうもないですし」
家主は微笑み、悲しそうな表情のおばあさんの片手を取った。
「ーーーありがとう、こんな若い人と話したのは久しぶりで楽しくなってしまったのよ、ふふっ。ーーーその、それでねうちの孫はあまり魔術が得意ではなくて...」
「おい、ばあちゃん!何してんだよ!」
おばあさんが話を再開した途端、誰かの声が響き渡り家主はそちらに目を向けた。
「リュカッ!どうしてここに来たの?お家で待っていなさいと、あれほど言ったのに」
幼女と同じ身長(135センチ)ぐらいであろう深い青色の髪の男の子が小走りでおばあさんに駆け寄った、おばあさんも杖をついて立ち上がり走ってくる男の子を抱きしめる。
「ばあちゃんの帰りが遅いからだろ。心配して...ってなんだこいつら」
男の子が身にまとう白いローブにはある有名な魔術学園の校章が記されており、生徒だという事が家主にはすぐに理解できた。そして男の子は家主とパジャマ姿の幼女と子猫を交互に見ては呟く。
「リュカ、こいつらなんて言い方をしてはいけませんよ?」
「だって、なんかパジャマ着てるガキと猫とおじさんいるし。ばあちゃん、なんだよこいつら」
「お、おじっ...っ少年?言っておくけど僕はおじさんじゃないからね。まだそんな年じゃないよ」
リュカと呼ばれる男の子の、おじさんという言葉に動揺を隠せず、家主は辿々しく苦笑いしながら男の子に挨拶した。
「えーおじさんじゃん、あんた」
「もうっ、そんな事言わないの!あとあんたなんて呼び方しちゃいけないでしょう!?」
さっきまで弱々しかったおばあさんが力強くパシッと男の子の頭を叩いた。
「本当にすみません。この子うちの孫なんです、こんな失礼な孫で本当に申し訳ありません...」
おばあさんが男の子の頭を無理やり下に下げ、自分も深く頭を下げた。
「ーーーべつにお気になさらないでください、ははっ。僕は大丈夫ですよ」
おじさんという言葉に少し痛む胸を抑えながら、家主は少年と目線を合わせた。
「えっと、僕は名前は教えられないんだけど、この子には家主って呼んでもらっててね、一緒に住んでるんだよ」
家主は幼女の頭をポンポンと撫でた。
「..,ふーん、名前教えられねぇとか変なヤツ」
家主を敵視しているのか、おばあさんを庇うようにリュカは家主の前に立った。
「ははっ、だけど変なヤツじゃないから安心してよ」
「マジかよ、ったく、こんな変なヤツらに絡まれるなって言っただろ。ばあちゃん」
「違うのよ、私から話しかけたのよ、リュカ」
「は?ばあちゃんから?なんでだよ」
「この人達ね、帰れなくて困ってるのよ。だからお力になれればと思って...」
リュカはおばあさんから事情を聞いた。
新キャラリュカ君です。見た目は可愛らしい少年ですが、幼女とちょっと似てる所もあるかな?といっても正反対の性格だと思います。父と母の背中を目指して魔術師になりたいと願い日々努力する少年、幼女との違いはなんでしょうか。





