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夕焼け
「山下」
「何?」
「暇つぶしの塔、登ってみてもいいかしら?」
「僕は?」
「山下も」
「危なくない?」
「危ないわ」
「じゃあやめようかな」
「暇つぶしよ」
「そうだった」
山下は防護スーツを着て、赤外線ゴーグルをつけた。
そして塔を登り始めた。
十時間かけて、ようやく頂上に着いた。
展望回廊からは、惑星の境界が見えた。
永遠の昼。
永遠の夜。
そして、その間に広がる永遠の―
これは夕焼けなのか朝焼けなのかどっちなんだろう、と山下は思う。
そこには都市が帯状に広がっている。
その光景は、地球のどんな景色よりも鮮やかで煌めいていた。
「ウィたちは、こんな美しい星に暮らしているのか」
山下は呟いた。
こんな星でも対立が生まれた。
お互いを殺し合った。
植物を絶滅させた。
そして今、自分たちが生きるために必死になっている。
この星を救ったあと、彼らはまた戦争を始めるのだろうか。
地球人もそうだった。
戦争をして、反省して、平和になって、また戦争をする。
生産性のないことを愛する1e人と、発展や生産性を追い求める地球人。
正反対に見えて、案外似ているのかもしれない。
山下は展望回廊から惑星を眺めた。
「きっと地球人は、今のままでは永遠に繰り返す」
誰に言うでもなく呟いた。




