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聖女は世界を救わない  作者: 大木戸 いずみ


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「俺たちはずっと君の強さに甘えてきた。君がいつも世界を守ってくれることが当たり前になっていた……。誰よりも傷つきながら、それでも世界を守り続けてきたケイト・シルヴィのことをこれからは俺が守ろう」


 ……………………え? 私を守る?

 一体今、一国の王子に何を言われたの?

 思考停止状態になり、私はただ黙って王子をじっと見ていた。

 私だけじゃなく、セスやレイも王子の発言に驚いているようだった。どうやら王子の考えは二人に共有されていなかったみたい。

 この中でずっと落ち着いた状態なのは、ミミとクリフだけだ。


「えっと、え? ん? 私が殿下を守るのではなくて?」


 王子の言ったことがまだ理解できず、私は混乱しながらも口を開いた。


「俺がお前を守るんだ、ケイト」


 急にケイト呼び……!? 

 スーパー美形王子に名前を呼ばれたことにドキッとしてしまう。

 どんな顔をするのが正解? てか、今、私ってどんな顔してるの? 

 顔が熱くなっているだけは分かった。けどこれは、私の通常が戦闘モードだから、この王子とのお茶会モードには慣れていなくて異常反応になっているだけ……!


「名前を呼んだだけで、そんな可愛い反応をしてくれるんだな」


 なにこの王子~~~!!

 私は心の中で叫び声を上げた。今まで、こんな甘い感じじゃなかったじゃん。……いや、もしかしたらからかわれているのかも。

 二十二年間恋愛歴ゼロという情報をレイから聞いて、私の反応を見て楽しんでいるだけかもしれない。

 私はニヤッと口角を上げる王子に頬を膨らましながら「私で遊ばないでください」と頬を膨らます。

 イケメン王子耐性を身に付けていこう。

 王子のどんな言動にも、クールな表情で応えるぐらいになってみせる。聖女の私になら、きっとできるはず……!


「遊ぶ? 思ったことを口にしただけだ」

「あ~~もう! そういうところですよ! 罪です! セスも何か言ってあげて!」


 王子の真っすぐな目をずっと見れなくなり、私は後ろに立っているセスへと視線の向ける。

 セスも意外そうな表情を浮かべながら、小さな声で呟く。


「殿下が女性に対して可愛いと言ったのは初めてで…………、我々も驚いています」

 

 ええぇ……?

 魔族討伐よりも対処方が難しいよ。何が正解なの……。相手は王子様だし、不敬すぎることは言えないもんね……。

 牢獄スキップして、いきなり処刑台は絶対に避けたい。

 私は眉をひそめたまま、王子へと視線を戻した。どうやら彼はふざけているようには見えない。……が、別に私に特別な感情を抱いているわけでもなさそう。…………というか絶対にそうであってくれ。

 私はニコッと笑みを作り、口を開いた。

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