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聖女は世界を救わない  作者: 大木戸 いずみ


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「聖女が家の横に簡易的な小屋を魔法で造りまして……。現在は聖女の元に……」

「は?」


 スネークマンと魔族と聖女が共に暮らしている?

 てっきり、王宮の牢にでもいるのかと思っていた。この国にとって最も脅威的な存在トップ3が共同生活だと……!?

 再び俺の頭の中が混乱状態に陥る。

 

「なんでそんなことになってるんだ……」

「……俺が、二人をどうするかを聖女に委ねてしまって……」

 

 俺のため息に気まずそうに目を泳がせながらレイは答えた。

 こいつ、判断をミスったな。  

 俺は心の中でそう呟き、強い口調でレイに命令する。


「明日、三人とも連れてこい。もちろん誰にもバレずに」

「承知しました」

「……お前も長旅で疲れているだろう。今日はもうゆっくり休め」

「ありがとうございます。失礼いたします」


 レイは深く頭を下げて、この部屋を去って行った。

 一人になった俺は小さくため息をつき、聖女のことについて考えた。

 …………彼女は一度命を落とした。そして生き返った代償として世界を救えば死ぬ。

 くそったれな神め。どうして彼女にだけ、これほど惨い運命を与えたんだ。

 俺は神に向かって舌打ちをする。神への冒涜だろうがなんだろうが関係ない。俺は心の底から神を恨んだ。

 どうにかして、ケイト・シルヴィが死なない方法を探し出そう。

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